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ドローン実証実験の活用事例|国土交通省の動向と補助金を解説

2025.10.23

ドローン実証実験の活用事例|国土交通省の動向と補助金を解説

ドローンは物流や医療、インフラ点検など幅広い分野で活用が期待されており、その実用化に向けて各地で「実証実験」が盛んに行われています。
国土交通省をはじめとした行政機関も制度整備や補助金で後押ししており、事業化へ向けた取り組みは年々加速しています。

本記事では、国内で進むドローン実証実験の背景や具体的な活用事例、さらに支援制度の内容をわかりやすく紹介します。ドローン事業の可能性を検討している方に役立つ情報として、参考にしてください。

目次

  1. なぜ今ドローンの実証実験が活発なのか?背景と目的
  2. 国内で進むドローン実証実験の具体的な活用事例
    2-1. 物流分野
    2-2. 医療分野
    2-3. 点検分野
  3. ドローン実証実験の事業化を支援する制度
  4. ドローン実証実験のご相談はバウンダリ行政書士法人へ

1. なぜ今ドローンの実証実験が活発なのか?背景と目的

ドローン実証実験の活用事例|国土交通省の動向と補助金を解説

日本のドローン産業は、2015年に設立された官民協議会が中心となり、計画的な発展を遂げてきました。

官民協議会は国土交通省をはじめとする関係省庁と民間企業が参加し、「空の産業革命」の実現に向けて、小型無人機の利活用促進と安全な飛行施策を進める場として機能しています。

策定されている「空の産業革命に向けたロードマップ」では、ドローンの社会実装を段階的に進める飛行レベルが実現目標として組み込まれました。

特に注目すべきは、ロードマップ2021において、有人地帯での目視外飛行を可能とするレベル4飛行を2022年度に実現する目標が掲げられたことでしょう。

この目標達成に向けて、全国各地でさまざまな分野における実証実験が加速度的に実施されるようになったのです。

2022年12月5日の航空法改正により、レベル4飛行が解禁され、同時に機体認証制度と無人航空機操縦者技能証明(国家ライセンス)が導入されました。

これらの制度整備は、ドローンの安全な利活用と業界全体の発展を促進するものであり、実証実験から事業化への移行を確実なものとする重要な基盤となっています。

2. 国内で進むドローン実証実験の具体的な活用事例

ドローン実証実験の活用事例|国土交通省の動向と補助金を解説

国内各地でドローンの実証実験が本格化し、実用化に向けた取り組みが加速しています。

物流、医療、点検といった分野において、それぞれの課題解決を目指した検証が進められており、社会実装への道筋が見えてきました。

以下では、各分野における実証実験の現状と成果について解説します。

2-1. 物流分野

物流分野においては、地理的制約の克服と配送効率の向上を目指した実証実験が活発に行われています。

レベル3/3.5飛行として分類される無人地帯での目視外飛行では、離島や山間部への荷物配送の検証が進んでおり、交通インフラが整備されていない地域への物資輸送の可能性が広がりました。

一方、レベル4飛行である有人地帯での目視外飛行は、都市部での宅配サービスへの応用が期待されています。

配達時間の短縮や燃料費削減といった物流業界が抱える課題に対し、ドローンが空のルートを活用することで、地上の交通渋滞に影響されない新たな配送網の構築が可能となるでしょう。

実証実験では、安全性の確保と効率的な運航管理システムの確立に重点を置いた検証が継続されています。

2-2. 医療分野

緊急医療の現場では、一刻を争う状況での迅速な対応が求められており、ドローンを活用した医療支援の実証実験が注目を集めています。

AED(自動体外式除細動器)を搭載したドローンは、救急車よりも早く現場に到着できる可能性があり、心肺停止患者の救命率向上に大きく貢献することが期待されているのです。

離島や過疎地域への医薬品配送も、ドローンが解決できる重要な課題となっています。

薬局間での医薬品の配送にドローンを活用することで、医療資源が限られた地域においても必要な薬を迅速に届けることが可能となりました。

実証実験では、温度管理が必要な医薬品の輸送方法や、悪天候時の運航基準など、実用化に向けた詳細な検証が進められています。

2-3. 点検分野

インフラの老朽化が社会問題となる中、ドローンを活用した点検作業の実証実験が各地で展開されています。

橋梁や送電線などの高所作業において、従来は足場を組んだりロープやゴンドラを使用したりする必要がありましたが、ドローンの活用により作業の危険性が大幅に軽減されました。

建物の外壁調査においては、赤外線カメラや高性能ズームカメラを搭載したドローンが威力を発揮しています。

人の感覚に頼らない客観的なデータ取得が可能となり、建物劣化部分の調査を安全かつ短時間で実施できるようになりました。

調査時間と費用が従来の数分の一に削減されるという実証結果も報告されており、点検業務の効率化と精度向上の両立が実現しつつあります。

3. ドローン実証実験の事業化を支援する制度

ドローン実証実験の活用事例|国土交通省の動向と補助金を解説

ドローンの実証実験や新規事業開発には、機体購入費や関連設備への投資など多額の初期費用が必要となりますが、国が提供するさまざまな補助金制度を活用することで、事業化への道筋をつけることが可能です。

中小企業・小規模事業者が取り組む革新的サービス開発や生産プロセスの改善を支援する「ものづくり補助金」は、ドローン導入による生産性向上を目指す企業に適しています。

補助金額は1,000万円以上となり、レーザーシステム搭載ドローンによる高精度測量など、実際に多くの採択事例が生まれています。

小規模事業者向けには「小規模事業者持続化補助金」が用意されており、100万円以下のドローン導入や空撮・映像事業への参入などに活用されています。

ただし、これらの補助金は事業計画の審査があり、採択されなければ支援を受けることはできません。

また、補助金も制度、補助金額等が頻繁に変更されるため、常に最新の情報を確認しておく必要があります。

申請書類の作成や事業計画の策定には専門的な知識が必要となるため、行政書士などの専門家に相談しながら準備を進めることが成功への近道となるでしょう。

4. ドローン実証実験のご相談はバウンダリ行政書士法人へ

国の「空の産業革命に向けたロードマップ」に基づき進められているドローンの実証実験は、物流、医療、点検といった多様な分野で着実に成果を上げており、社会実装への道筋が明確になってきました。

これらの実証実験を後押しする補助金制度も充実し、事業化への環境は整いつつあります。

しかし、実証実験の実施にはレベル3、レベル3.5やレベル4といった高度な飛行形態に必要な許可申請が不可欠であり、関係省庁や自治体との複雑な調整が求められます。

バウンダリ行政書士法人は、ドローン飛行許可申請に特化した専門事務所として、年間10,000件を超える案件実績と業界トップクラスの法務ノウハウを有しており、様々な実証実験のサポートを行っています。

飛行許可申請では包括申請から高難度な個別申請、さらには補助金活用のアドバイスや事業計画書の作成まで、ドローン事業の立ち上げから実証実験の実施まで一貫してサポートいたします。

初回無料相談を実施しておりますので、実証実験の計画段階からお気軽にご相談ください。

SUPERVISOR

監修者

代表行政書士 佐々木 慎太郎

バウンダリ行政書士法人

代表行政書士 佐々木 慎太郎

(Shintaro Sasaki)

日本屈指のサポート実績を誇る、ドローン法務のプロフェッショナル

行政書士として建設業などの根幹産業と関わり、ドローンに特化したバウンダリ行政書士法人を創設。ドローン運航に必要な包括申請から高難度な飛行許可申請、国家資格スクール(登録講習機関)の開設・維持管理・監査まで幅広く対応し、2023年のドローン許認可件数は10,000件以上を突破。
無人航空機事業化アドバイザリーボード参加事業者および内閣府規制改革推進会議メンバーとして、ドローン業界の発展を推進している。またドローン安全飛行の啓蒙活動として、YouTube「ドローン教育チャンネル」を開設するなどSNSで最新の法律ルールを積極的に発信。著書に『ドローン飛行許可の取得・維持管理の基礎がよくわかる本』(セルバ出版)がある。
YouTubeで日々ドローン法務に関する情報を発信中!「ドローン教育チャンネル」はこちら