
2025.01.30
申請方法(DIPS)
2025.03.03
DIPSを活用した申請手続きと代行サービスのポイントを徹底解説!
近年、ドローンは空撮や測量、農業、インフラ点検など、さまざまな分野で活用が進んでいます。
技術の進歩に伴い、個人でも趣味やビジネスでドローンを活用できる時代になりました。しかし、ドローンを安全に飛行させるためには法律やルールを守る必要があります。
日本におけるドローンの飛行に関する主な法規制は、航空法や電波法、小型無人機等飛行禁止法などです。
特に、人口集中地区(DID)での飛行、夜間飛行、目視外飛行などのリスクが高い飛行を行う場合には、国土交通省の許可・承認が必要となります。
違反すると、罰則を受ける可能性がありますので、注意しなければなりません。
航空法によって定められている「無人航空機の飛行に関する許可・承認」を要するケースとして、主に以下のようなものがあります。
これらの飛行を行う際には、事前に国土交通省に対して許可・承認申請を行う必要があります。
無許可で飛行をしてしまうと、航空法違反となる可能性がありますので、必ず事前に確認を行いましょう。
ドローンの無許可飛行によって事故を起こした場合、人命にかかわる重大なトラブルに発展する可能性があります。
また、他の航空機とのニアミスや墜落による物的損害など、社会的影響も大きな問題となります。法律違反だけでなく、損害賠償を請求されるケースも考えられます。
違反内容に応じて航空法違反による罰則(罰金など)が科される場合があります。さらに、ドローン事業者としての信用失墜はビジネス面での損失にもつながります。
適切な申請手続きと安全運航ルールの順守が、リスク回避のために重要です。
ドローンの安全な運用を推進するためには、航空法に基づく許可・承認の取得状況を適切に管理し、申請手続きを効率化する仕組みが必要でした。
そこで国土交通省は、ドローン情報基盤システム(Drone/UAS Information Platform System)を導入しました。
DIPSは、これまで紙ベースで行っていた許可・承認申請をオンライン化し、国土交通省側の審査プロセスをスムーズに進めることを目的としています。
また、申請者にとっても入力項目が整理され、添付書類のアップロード機能などを通じて申請の見落としや不備を減らす効果があります。
ドローンの活用が増えるにつれ、許可・承認の申請件数は年々増加しています。
紙での申請書類は作成や提出の手間がかかるうえ、審査側でも人の手で精査しなければならず、ミスや遅延のリスクが高くなります。
DIPSを導入することで、申請に必要な情報を一元的に管理でき、申請者も国土交通省も効率的にやり取りが可能となりました。
オンライン上で申請するため、申請不備に対する指摘や修正依頼への対応も迅速に行うことができます。
こうした背景から、ドローンを飛行させる許可・承認申請を行う場合は、原則としてDIPSを利用する流れが一般的となりました。
DIPSを利用するためには、まずシステム上でアカウント登録を行います。
必要事項を入力し、ログインIDとパスワードを取得することで、申請が可能となります。DIPSでの申請フローは大まかに以下のステップです。
すべてオンライン上で完結するため、申請書類を作成する必要はありません。
一方で、入力項目が多岐にわたるため、内容を正確に把握していないと不備やミスにつながるおそれがあります。
行政書士など専門家に相談することで、スムーズに申請を進められるメリットがあります。
ここでは、DIPSを利用したオンライン申請の手順を具体的に解説いたします。
なお、飛行許可・承認申請では飛行計画の登録は行いません。
許可・承認申請時点で求められるのは、機体情報や操縦者情報、飛行の目的や場所などの項目と、必要に応じた添付書類のアップロードです。
申請を円滑に行うために、まずは以下の情報を整理しておきましょう。
必要に応じて、保有する機体が複数ある場合は、それぞれの情報を整理してください。
また、操縦者が複数いる場合も一人ひとりの情報(飛行時間や技能証明の有無など)を確認し、正確に把握しておくことが大切です。
DIPSを初めて利用する場合は、システム内でアカウント登録を行います。
国土交通省のサイトにアクセスし、メールアドレスの登録やパスワード設定を行う流れです。登録完了後、ログインIDとパスワードを使ってシステムにログインできるようになります。
すでにアカウントを持っている場合は、取得済みのIDとパスワードでログインしてください。
DIPSのシステムはバージョンアップが行われる場合がありますので、利用の際は必ず最新情報を確認しましょう。
ログイン後、「新規申請の作成」に進むと、飛行させるドローンや操縦者に関する項目を入力する画面が表示されます。入力の主な項目は以下のとおりです。
DIPS画面の指示に従って入力を進めていきますが、項目を誤って入力すると修正依頼がかかる場合があります。
入力内容は提出前に必ずダブルチェックしておきましょう。
DIPSで許可・承認申請を行う際には、必要な添付書類をアップロードします。オンライン申請のため、基本的にはPDFや画像ファイルなどの電子データを用意してください。
添付が必要な書類は、申請内容や飛行方法によって異なりますが、たとえば以下のようなものが挙げられます。
添付漏れやデータ形式の不備があると、国土交通省から修正依頼が来ることがあります。
申請を急ぐ場合でも、焦らず必要なデータがそろっているかを念入りに確認することが肝心です。
全ての項目を入力し、添付書類をアップロードしたら、内容を最終確認のうえで申請します。
システムから受付完了の連絡が表示されれば、申請は無事に送信されています。その後、国土交通省による審査が行われます。
審査期間は申請内容のボリュームや混雑状況により異なりますが、通常は数日で結果が通知されます。
不備や追加資料の要請があった場合は、メールを通じて連絡が届きますので、指示に従って迅速に対応しましょう。
審査を通過すると、飛行許可・承認書が発行され、DIPS上で閲覧・ダウンロードできるようになります。
これを印刷して現場に携行する、もしくは電子データとして保管しておくなど、飛行時に提示できる形で準備しておきましょう。
取得した許可・承認書には、飛行が許可された範囲(場所、期間、条件)が詳細に記載されています。
その条件に従って飛行を行うことが大前提となりますので、違反することのないように十分注意してください。
ドローンの許可・承認申請では、航空法や関連法令、運用に関するルールなど、多くの専門知識が求められます。
また、DIPSの操作自体はオンラインで完結しますが、必要事項を誤りなく入力するためには、法律上の解釈や運用ルールへの理解が不可欠です。
行政書士は、官公署に提出する書類の作成や手続きの代理を業務範囲として認められている国家資格者です。
とくにドローン分野に精通した行政書士であれば、申請作業の際に必要となる専門知識を有しており、ミスや不備を大幅に減らせるでしょう。
申請書類に不備があると、国土交通省から修正依頼がきます。その際のやり取りもDIPSで行いますが、書類の不備内容を理解し、適切に修正するには一定の知識と労力がかかります。
行政書士に代行を依頼すれば、修正内容の確認から再提出までをスムーズに行えるため、申請者の負担が軽減されます。
ビジネスでドローンを活用する場合は特に、申請に時間を割きすぎると本業に支障をきたす可能性があります。専門家に依頼することでスピーディーに申請を完了させ、事業活動に専念することが可能です。
ドローン飛行の許可・承認を急ぎたい場合、提出から取得までのスケジュールを逆算して考える必要があります。
行政書士は、過去の申請事例や国土交通省とのやり取りを踏まえ、審査にかかるおおよその期間を把握しています。そのため、申請の提出タイミングや書類の準備スケジュールなどをトータルで管理してもらえるのがメリットです。
申請者としては、最終的な飛行日やプロジェクト開始日に間に合うように調整できるため、許可取得を前提とした計画を円滑に進められます。
実際にドローンを飛行させてみると、予定外の変更や追加の申請が必要になる場合があります。
例えば、飛行場所を急遽変更する必要が生じた場合や、操縦者を追加したい場合などです。
こうしたトラブルや変更が発生したときでも、行政書士に相談すれば適切な手続き方法をアドバイスしてもらえます。アフターフォローを受けられる点も、行政書士に依頼する大きなメリットといえるでしょう。
当法人「バウンダリ行政書士法人」は、日本有数のドローン事業者をサポートしてきた実績を持つ、ドローン専門の行政書士法人です。
飛行許可申請の代行はもちろん、ドローンの法務顧問や安全運航に関するアドバイスなど、さまざまな角度からドローンビジネスを支援しております。
大手ドローン事業者との取引実績も豊富で、これまでに数多くのドローン飛行許可申請やコンサルティングを担当してきました。
事業規模が大きくなるほど、申請の件数や内容も複雑化しがちですが、弊法人の経験値を活かして最適なプランを提案可能です。
また、行政書士だからこそ行える官公署とのやり取りや申請サポートを通じて、申請者の負担を軽減することを常に心がけております。
バウンダリ行政書士法人では、飛行許可だけでなく、ドローンスクール(登録講習機関)の設立支援から運営アドバイス、さらには登録講習機関の監査業務までを一貫して行っています。
技能証明制度の導入など、ドローンを取り巻く法制度は変化が激しい分野です。スクール運営側も最新情報をキャッチアップして対応していく必要がありますが、弊法人では常に最新の法規制を把握し、運営のご相談にも対応しております。
弊法人は、法人のロゴやデザイン、コーポレートカラーに至るまで、一目見れば「バウンダリ行政書士法人」と分かるように統一したブランディングを行っています。
名刺や封筒、チラシ、ホームページなど、すべてに共通イメージを持たせることで、「ドローン専門の行政書士法人」としての認知度を高めてまいりました。
また、YouTubeチャンネル「ドローン教育チャンネル」では、初心者向けにドローンの活用方法や操縦の基本などを分かりやすく解説しています。
プロとしての専門知識だけでなく、見やすさや伝わりやすさを意識した情報発信を大切にしています。
取得した飛行許可・承認書には、有効期間が設定されています。包括申請の場合は、最長で1年間が一般的です。
有効期間を過ぎると飛行許可が無効となるため、継続して同様の飛行を行う場合は期間内に更新手続きを行う必要があります。
更新申請もDIPSで行うため、期限を把握し余裕をもって申請しましょう。更新申請では、前回の申請内容との相違点や新たに追加した機体・操縦者などを整理しておくとスムーズです。
ドローンに関連する法律や規制は、ここ数年で大きく変わり続けています。
特に、航空法の改正や国家資格(操縦者技能証明)の導入など、事業者にとって影響の大きい制度変更が相次いでいます。許可を取得したからといって安心せず、最新の法令情報を常にチェックすることが大切です。
行政書士や専門家と顧問契約を結んでおけば、タイムリーに情報提供を受け、必要に応じて追加申請やマニュアルの改定ができます。
包括申請を行うと、1年間で同様の飛行条件下であれば許可が有効となります。しかし、その間に別の機体を導入したり、操縦者の追加を検討したりする場合は、変更申請を行う必要が生じる場合があります。
ドローンは便利な反面、落下や衝突などのリスクもあります。許可を取得して終わりではなく、継続的に安全意識を高める取り組みが大切です。
操縦技量の維持・向上のために、定期的に講習や練習を行うことをおすすめします。ドローンスクールでスキルを磨いたり、最新の機体情報や技術トレンドを追ったりすることは、事業者としての付加価値にもつながります。
実際に飛行させるエリアが、人口集中地区(DID)や空港周辺の制限区域などに該当するかどうかは、事前にしっかりと調べる必要があります。
国土地理院が提供する地理院地図や、DIPSで航空法に基づく飛行禁止区域の情報などを確認し、安全な場所を選ぶことが大切です。
また、現地に行ってみると想定外の障害物や人の出入りが多いケースもあります。事前調査と現地確認を徹底し、想定外のリスクを回避しましょう。
ドローンを飛行させる際は、周囲の人や建物に十分な安全距離を確保しなければなりません。
特に、住宅地での飛行や観光地など人が多く集まる場所では、通行人などの第三者の頭上を飛行しないように最新の注意を払います。
航空法上、人や物件との距離を30m以上確保することが基本的なルールとなっていますが、許可・承認を取得すれば近接飛行が可能になります。
しかし、その場合でも不測の事態に備えた十分な対策が求められます。
ドローンは精密機械であり、バッテリーやモーターなど故障のリスクもゼロではありません。飛行前には、機体の点検(バッテリー残量やプロペラの状態、ネジの緩みなど)を必ず行いましょう。
また、メーカーが推奨する整備スケジュールやソフトウェアアップデートも見逃さず行うことが重要です。飛行中に異常を感じたら、速やかに着陸させて安全を確保する判断力も操縦者には求められます。
ドローンの安全運航を担保するためには、飛行マニュアルの整備が欠かせません。国土交通省が公開している「航空局標準飛行マニュアル」は、基本的な安全対策や運用手順が網羅されています。
これをベースに、運用実態に合わせてカスタマイズしたマニュアルを運用することが推奨しており、バウンダリ行政書士法人では独自に一部変更を加えた「オリジナル飛行マニュアル」を用意しています。
オリジナル飛行マニュアルでは、実際の業務で想定されるケースやリスクを具体的に取り入れ、標準マニュアルとの差分を明確にするよう工夫しております。
新規導入スタッフや外部操縦者にもわかりやすい形で共有し、緊急時にも迅速かつ的確に対応できる体制を整えておくと安心です。
さらに、ドローンの飛行に伴うリスクをカバーするため、第三者賠償責任保険などの保険加入を検討することも大切です。特に業務で利用する場合は、万一の事故に備えて十分な補償内容を持つ保険を選ぶことをおすすめします。
個人で趣味としてドローンを飛行させる場合でも、飛行が人口集中地区(DID)や夜間など航空法で定められた特定飛行に該当するならば許可・承認が必要です。
DIPSのアカウント登録は法人だけでなく個人でも行えますので、自分で申請を進めることは可能です。ただし、申請内容が複雑な場合や、法律の解釈に自信がない場合には専門家に相談することをおすすめします。
許可・承認書に記載された範囲や条件を超えた飛行は、許可承認違反となります。
たとえば、夜間飛行の許可を取っていないのに暗くなってから飛ばす、催し場所上空での許可がないのにイベント上空を飛ばす、といった行為は厳禁です。
また、飛行マニュアルで定められた手順や安全対策を軽視して飛行する行為もリスクが高く、万一事故が起きた場合には損害賠償請求を受ける可能性があるため、常に安全を最優先に運用してください。
人口集中地区(DID)でない、自分の敷地だからといって、まったく申請が不要とは限りません。夜間飛行や目視外飛行など、航空法で許可・承認が必要とされる特定飛行に該当すれば、場所が無人地帯であっても申請は必要となります。
また、電波法や小型無人機等飛行禁止法など、他の法律や条例に抵触しないかも確認することが重要です。
行政書士による代行費用は、申請内容の難易度や特定飛行の項目、機体の台数などによって異なります。
概算で数万円程度が一般的な相場といわれていますが、複数の項目をまとめて申請したい場合や、急ぎの案件で特別スケジュールを組む場合は、追加費用が発生することもあります。
費用と手間を比較したうえで、専門家に任せるメリットを考慮すると、結果的に早く許可を取得できることや、不備なく安心して運用開始できることを重視する方が多いようです。
ドローンの飛行許可・承認申請は、DIPSの導入によってオンライン化され、申請者・審査側ともに効率化が進んでいます。今後も審査期間は短縮されていくでしょう。
しかしながら、入力項目や添付書類を誤解すると、国土交通省からの修正依頼に時間を取られ、知らないうちに違反しているケースがあるため、システムの使い方と法令解釈を正しく理解することが大切です。
ドローンの飛行許可申請は、航空法をはじめとする関連法令を網羅的に把握する必要があるうえ、DIPSの操作にも慣れが求められます。
事業者としてビジネスに集中したい方や、申請の手間を軽減したい方は、行政書士への依頼を検討するのも有力な選択肢です。
ドローン専門の行政書士事務所であれば、これまでの豊富な実績とノウハウを活かし、申請から取得までをスムーズにサポート可能です。
ドローンはさまざまな可能性を秘めたテクノロジーですが、その運用を誤ると社会的にも大きな問題となるリスクがあります。
航空法に基づく許可・承認を取得するだけでなく、常に最新の法令・規制動向を追い、法令順守で安全に飛行させることが大切です。
適切な管理と安全教育のもとでドローンを活用すれば、ビジネスにおける生産性向上や新たなサービスの創出につながるでしょう。
行政書士や専門家のサポートを活用しながら、法令遵守・安全第一のドローン運用を実現していただければ幸いです。
バウンダリ行政書士法人
代表行政書士 佐々木 慎太郎
(Shintaro Sasaki)
行政書士として建設業などの根幹産業と関わり、ドローンに特化したバウンダリ行政書士法人を創設。ドローン運航に必要な包括申請から高難度な飛行許可申請、国家資格スクール(登録講習機関)の開設・維持管理・監査まで幅広く対応し、2023年のドローン許認可件数は10,000件以上を突破。
無人航空機事業化アドバイザリーボード参加事業者および内閣府規制改革推進会議メンバーとして、ドローン業界の発展を推進している。またドローン安全飛行の啓蒙活動として、YouTube「ドローン教育チャンネル」を開設するなどSNSで最新の法律ルールを積極的に発信。著書に『ドローン飛行許可の取得・維持管理の基礎がよくわかる本』(セルバ出版)がある。
YouTubeで日々ドローン法務に関する情報を発信中!「ドローン教育チャンネル」はこちら