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DIPS2.0でのドローン操縦者情報の登録方法を解説

2025.07.30

DIPS2.0でのドローン操縦者情報の登録方法を解説

ドローンを飛行させるには、機体登録に加えて「操縦者情報の登録」も必須です。
これは飛行許可・承認申請の前提条件となる重要な手続きであり、機体登録とは別に行う必要があります。
操縦者登録を怠ると、申請そのものが受理されず、合法的に飛行させることができなくなるため注意が必要です。

本記事では、国土交通省の「DIPS2.0」システムを使った操縦者情報の登録方法を、ステップごとに詳しく解説します。
gBizIDの準備や技能証明の入力、基準適合性の申告、機体との紐付けまで、実際の画面操作を想定しながら丁寧に案内していますので、ぜひ参考にしてください。

目次

  1. 操縦者情報登録の流れ
    1-1. DIPS2.0にアクセス
    1-2. 新規作成を進める
     1-2-1. ① 操縦者情報を入力する
     1-2-2. ② HP掲載団体技能認証情報の入力(認証を受けている場合)
     1-2-3. ③ 操縦者の基準の適合性
     1-2-4. ④ 操縦者の飛行させる方法に応じた追加基準への適合性
    1-3. 機体と操縦者の紐付け

1. 操縦者情報登録の流れ

DIPS2.0でのドローン操縦者情報の登録方法を解説

ドローンを飛行させるには、機体登録だけでなく操縦者の情報登録も必要です。

この登録は、飛行許可・承認申請を行うための前提条件であり、機体情報とは別に行う必要があります。

最終的には、登録済みの機体と操縦者を紐付けて申請する必要があり、登録手続きの流れは以下の通りです。

  1. DIPS2.0にアクセス
  2. 新規作成を進める
  3. 機体と操縦者の紐付け

このとき、手続きをスムーズに進めるために「gBizID」や技能証明書などを事前に準備しておきましょう。

1-1. DIPS2.0にアクセス

まずはじめに、操縦者情報を登録するシステム「DIPS2.0」へアクセスします。

DIPS2.0へは、国土交通省の公式ウェブサイトからアクセスしましょう。

ログインには、あらかじめ取得した「DIPS2.0」のアカウントが基本的に必要です。

トップページの「ログイン」ボタンから進み、IDとパスワードを入力してログインしてください。

もし取得していない場合は、先にDIPS2.0のアカウントを作成しましょう。

なお、ブラウザについてはMicrosoft EdgeやGoogle Chromeなどの最新バージョンが推奨されています。

macOSの場合は、Safariを用いても問題ありません。

1-2. 新規作成を進める

DIPS2.0にログインしたら、操縦者情報の登録手続きを開始します。

まずはログイン後のトップページ画面左側にあるメインメニューから、「操縦者情報の登録・変更」をクリックしましょう。

その後「操縦者情報一覧」の画面に遷移します。

初めて登録する場合、この画面には何も表示されません。

画面上部にある「新規作成」をクリックすると、入力画面が表示されます。

ここからは具体的な入力項目について、詳しく見ていきましょう。

1-2-1. ① 操縦者情報を入力する

まずは操縦者の情報について、基本的な内容を入力しましょう。

ここで求められるのは、以下の内容となります。

  • 氏名
  • 電話番号
  • メールアドレス
  • 住所

基本的にはドローンの操縦に必要な情報を入力しなければなりません。

また、国家資格である「無人航空機操縦者技能証明」を保有していると「無人航空機操縦者技能証明書番号」を入力する必要があります。

ここでは有効期限や一等・二等、機体の種類(回転翼・固定翼)といった「限定事項」も入力しましょう。

保有していない場合は、空欄のままで問題ありません。

1-2-2. ② HP掲載団体技能認証情報の入力(認証を受けている場合)

HP掲載団体技能認証を取得している場合は、本項目の入力も必要です(2025年12月廃止)。

HP掲載団体とは、国土交通省が「特定飛行に十分な技能を教える」と認めた講習団体のことです。

一覧は、同省の公式ウェブサイトで公開されています。

入力する場合は、以下の内容に沿って項目を埋めていきましょう。

  • 講習団体名: プルダウンメニューから、ご自身が技能認証を受けた団体名を選択
  • 技能認証の証明書番号等: 団体から発行された証明書に記載の番号を入力
  • 技能認証年月日・有効期限: 証明書に記載の日付を入力

この情報を登録しておくと、飛行許可・承認申請の際に、操縦技能を証明する書類の一部を省略できるメリットが生まれます。

もし保有資格が対象か不明の場合は、国土交通省の「無人航空機の講習団体及び管理団体の一覧」ページで確認してください。

1-2-3. ③ 操縦者の基準の適合性

操縦者の基準の適合性では、基本的な基準に適合しているか否かを回答します。

飛行経歴や飛行知識の有無、一般的な技量などについて申告を求められるため、項目に沿って進めましょう。

なお、ここでの回答は法的な宣誓として取り扱われます。

仮に虚偽の申告をした場合は、許可の取り消しや罰則の対象となる可能性があるため、十分に注意してください。

1-2-4. ④ 操縦者が飛行させる方法に応じた追加基準への適合性

この項目では基本的な飛行に加えて、よりリスクが高い特定の飛行方法を実施するために必要な、追加の基準(経験や知識)を満たしているかを申告します。

ここで入力した内容は後の「飛行許可・承認申請」でどのような飛行が申請可能かに影響するため、正しく入力しましょう。

対象となる特定飛行の例は、以下の通りです。

  • 夜間飛行
  • 目視外飛行
  • 物件投下
  • 最大離陸重量25kg以上の機体の飛行
  • カテゴリーⅢ飛行(第三者の上空を飛行)

ドローンの申請を行う際は、「回転翼航空機」の項目に入力してください。

飛行機の項目にも入力を求められますが、該当しないため、すべて「否」にチェックを入れれば問題ありません。

1-3. 機体と操縦者の紐付け

DIPS2.0でのドローン操縦者情報の登録方法を解説

操縦者情報の登録が完了したら、最後に機体との紐付けを行いましょう。

まずは操縦者情報管理の画面で、「機体選択」をクリックします。

機体選択を選ぶとプルダウンから機体を選択できるため、任意の機体を追加してください。

機体が登録されると、飛行可能機体一覧に製造者名や型式が表示されます。

問題なく登録されたことが確認できたら、戻るボタンを押しましょう。

複数の操縦者がいる場合は、同じ作業を繰り返せば問題ありません。

SUPERVISOR

監修者

代表行政書士 佐々木 慎太郎

バウンダリ行政書士法人

代表行政書士 佐々木 慎太郎

(Shintaro Sasaki)

日本屈指のサポート実績を誇る、ドローン法務のプロフェッショナル

行政書士として建設業などの根幹産業と関わり、ドローンに特化したバウンダリ行政書士法人を創設。ドローン運航に必要な包括申請から高難度な飛行許可申請、国家資格スクール(登録講習機関)の開設・維持管理・監査まで幅広く対応し、2023年のドローン許認可件数は10,000件以上を突破。
無人航空機事業化アドバイザリーボード参加事業者および内閣府規制改革推進会議メンバーとして、ドローン業界の発展を推進している。またドローン安全飛行の啓蒙活動として、YouTube「ドローン教育チャンネル」を開設するなどSNSで最新の法律ルールを積極的に発信。著書に『ドローン飛行許可の取得・維持管理の基礎がよくわかる本』(セルバ出版)がある。
YouTubeで日々ドローン法務に関する情報を発信中!「ドローン教育チャンネル」はこちら