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ドローン個別申請のやり方と包括申請との違いを徹底解説

2026.01.19

ドローン個別申請のやり方と包括申請との違いを徹底解説

ドローンを飛ばす際には、航空法に基づき「個別申請」または「包括申請」が必要な場合があります。

個別申請は特定の日時・場所での飛行に適し、包括申請は一定期間・広範囲での飛行に対応します。用途や飛行内容によって選ぶ申請方法が異なるため、違いを理解しておくことが大切です。

本記事では、個別申請の具体的なやり方やDIPS2.0での手続き方法、注意点をわかりやすく解説します。

​​目次

  1. ドローン申請の基本:「個別申請」と「包括申請」の違い
    1-1. 「包括申請」の概要:業務利用かつ日本全国
    1-2. 「個別申請」の概要:趣味利用や特定の場所
    1-3.  目的と飛行形態で選ぶ申請方法の比較
  2. 「個別申請」が必須となる飛行パターン
    2-1. 特定の禁止空域(空港周辺・150m以上・イベント会場)
    2-2. 複数の特定飛行の組み合わせ(例:DID+夜間)
    2-3. 業務外の目的(趣味・研究開発)
    2-4.  高リスクと判断される飛行(鉄道・高速道路付近)
  3. DIPS2.0を使った個別申請のやり方と流れ
    ステップ1:飛行計画と関係機関への事前調整
    ステップ2:DIPS2.0でのカテゴリー判定と情報入力
    ステップ3:飛行マニュアルの選択
    ステップ4:申請書の提出と許可
  4. 個別申請と飛行マニュアルに関する注意点
    4-1. 申請費用と申請先(東京航空局・大阪航空局)
    4-2. 独自マニュアルによる飛行(風速5m/s超など)
    4-3. 許可取得後の義務(飛行計画の通報)
  5. ドローン申請(個別・包括)は専門家に相談を

1.ドローン申請の基本:「個別申請」と「包括申請」の違い

ドローン個別申請のやり方と包括申請との違いを徹底解説

ドローンを屋外で飛行させる際、航空法に基づく飛行許可・承認申請には「包括申請」と「個別申請」という2つの方法があります。

飛行を予定している期間や場所、飛行の目的などに応じて、適切な申請方法を選ぶ必要があります。

この選択を誤ると、知らないうちに違反してしまっていることはもちろん、許可が下りなかったり、申請に無駄な時間がかかったりする可能性があるため、両者の違いを正しく理解しておきましょう。

1-1. 「包括申請」の概要:業務利用かつ日本全国

「包括申請」とは、一定期間内に同じ条件のドローン飛行を複数回行うための申請方法です。

この方法で申請すると、最大1年間の期間を指定でき、許可期間中は同じ条件であれば何度でもドローンを飛ばせます。

飛行場所についても、本来であれば詳細な図を添付する必要がありますが、包括申請では「日本全国」いう広いエリアを指定できるため、場所に捕らわれず」とは、一定期間内に同じ条件のドローン飛行を複数回行うための申請方法です。

この方法で申請すると、最大1年間の期間を指定でき、許可期間中は同じ条件であれば何度でもドローンを飛ばせます。

飛行場所についても、本来であれば詳細な図を添付する必要がありますが、包括申請では「日本全国」いう広いエリアを指定できるため、場所に囚われずさまざまな場所で飛行が可能になります。

※都道府県単位でもエリアを指定できますが、特にメリットはありません。

空撮や点検などの業務目的で反復して飛行を行う場合に適しており、飛行ごとに申請する手間が大幅に省けます。

ただし、包括申請は業務目的での飛行に限られているため、趣味で飛行する場合は利用できません。

1-2. 「個別申請」の概要:趣味利用や特定の場所

「個別申請」とは、飛行する日(時)と場所(飛行経路)を具体的に特定して、都度行う申請方法です。

趣味目的でのドローン飛行や、包括申請では許可されない特定の飛行条件の場合に、この個別申請が必要になります。

具体的には、空港等周辺における飛行、地表または水面から150m以上の高さの空域における飛行、催し場所(イベント)の上空における飛行などが該当します。

また、包括申請で「夜間飛行」と「目視外飛行」の許可を得ていたとしても、この2つを同時に行う場合、飛行マニュアルの制限で飛行させることができないので、個別申請が必要です。

飛行が1回限りである場合や、飛行計画が事前に具体的に決まっている場合に用いられます。

1-3. 目的と飛行形態で選ぶ申請方法の比較

「包括申請」と「個別申請」のどちらを選ぶべきか判断できるよう、以下の表で両者の違いを比較します。

 

ドローン個別申請のやり方と包括申請との違いを徹底解説

包括申請は業務での反復飛行に適しており、場所や日時を事前に決める必要がないため、柔軟な運用が可能です。

一方で個別申請は、趣味利用や特別な飛行条件が求められる場合に必要となり、飛行ごとに詳細な計画を立てて申請します。

2.「個別申請」が必須となる飛行パターン

ドローン個別申請のやり方と包括申請との違いを徹底解説

ドローンの飛行許可申請では、すべてのケースで包括申請が利用できるわけではありません。

飛行場所や飛行方法によっては、飛行ごとに日時と場所を特定した「個別申請」が必須となります。

空港周辺や高高度での飛行、イベント上空といった特定の禁止空域での飛行、複数の特定飛行を組み合わせる場合、趣味や研究開発での飛行、鉄道や高速道路付近といった高リスク環境での飛行などが該当します。

個別申請が必要なパターンを正しく理解し、適切な申請を行いましょう。

2-1. 特定の禁止空域(空港周辺・150m以上・イベント会場)

航空法で定められた飛行禁止空域のうち、「空港等周辺」「地表または水面から150m以上の高さの空域」「催し場所の上空」の3つは、場所や日時を特定した個別申請が必須となります。

これらの空域は飛行リスクが特に高いと判断されているため、広範囲をカバーする包括申請では許可されません。

空港等周辺や地上150m以上の空域で飛行する場合、申請時には飛行場所を管轄する空港事務所などの関係機関との事前調整が求められるケースがあり、調整結果をDIPS2.0の申請画面に入力する必要があります。

2-2. 複数の特定飛行の組み合わせ(例:DID+夜間)

包括申請で「人口集中地区(DID)」と「夜間飛行」をそれぞれ単体で許可を取得している場合でも、これらを同時に行う場合には飛行マニュアルの制限により、個別申請が必要になります。

DID内での夜間飛行や、DID内で夜間と目視外飛行を同時に行う場合は、リスクが高まるため、場所と日時を特定した個別の審査を受けなければなりません。

包括申請で「夜間飛行」と「目視外飛行」の許可を得ていても、この2つは同時に実施できないのです。

自分の飛行計画が、許可が必要な飛行方法を複数組み合わせていないか、事前に確認することが重要です。

2-3. 業務外の目的(趣味・研究開発)

ドローンを飛ばす目的が「趣味」や「研究開発」である場合、包括申請の対象外となるため、特定飛行に該当する場合は必ず個別申請を行わなければなりません。

趣味でのドローン飛行であっても、人口集中地区や夜間飛行など特定飛行に該当する場合は、飛行の都度、場所と日時を特定して申請する必要があります。

包括申請は業務目的での飛行に限定されており、趣味での包括申請は認められていません。業務と趣味の線引きに迷う場合は、専門家に相談することをおすすめします。

2-4. 高リスクと判断される飛行(鉄道・高速道路付近)

航空局標準マニュアルでは、鉄道や高速道路、交通量の多い一般道の上空やその付近での飛行は原則として行わないよう定められています。

これらの場所で業務上やむを得ず飛行させる場合は、標準マニュアルのままでは申請できず、追加の安全対策を講じた上で個別申請として審査を受ける必要があります。

落下時に人命を伴う大事故につながる可能性がある高リスク飛行は、包括申請では対応できません。

上空だけでなく、付近で飛行する場合にも申請が必要となるため注意が必要です。

付近については、これらの事故に繋がる可能性がある状況が機体の重量・風速・高さ・進行方向や速度によって変わってきます。

具体的に「〇m」という決まりはないため、運航者が判断することになります。

判断に迷った場合は、行政書士に相談することや、個別申請をしておいた方が安心です。

個別申請が必要な内容(まとめ)

  • 空港等周辺での飛行

  • イベント(催し場所)上空での飛行

  • 地表または水面から150m以上の高度での飛行

  • 高速道路や交通量の多い一般道、鉄道の上空やその付近での飛行(例外あり)

  • 夜間の目視外(FPV含む)飛行

  • 人口集中地区(DID)での夜間の目視外(FPV含む)飛行

  • 補助者を配置しない目視外飛行(レベル3/3.5/4)

  • 個人的な趣味を目的とした飛行

  • そのほか複雑な飛行の態様(ドローンショー等)

3.DIPS2.0を使った個別申請のやり方と流れ

ドローンの個別申請は、国土交通省が運営する「DIPS2.0(ドローン情報基盤システム2.0)」を使用してオンラインで手続きを行います。

個別申請では、包括申請と異なり、飛行空域によっては申請前に関係機関との事前調整が必要になるなど、特有の手順があります。

ステップ1:飛行計画と関係機関への事前調整(レベル3.5、空港等周辺、150m以上、イベント上空等)

ステップ2:DIPS2.0でのカテゴリー判定と情報入力

ステップ3:飛行マニュアルの選択

ステップ4:申請書の提出と許可

以下では、上記4つのステップについて解説します。

ステップ1:飛行計画と関係機関への事前調整

個別申請を行う場合、特に空港周辺や地上150m以上の空域で飛行する際には、DIPS2.0で申請する前に、飛行空域を管轄する関係機関との事前調整が必須となります。

関係機関には、空港事務所や航空交通管制部などが含まれ、飛行計画について合意を得る必要があります。

事前調整で得た合意内容(調整結果)は、後ほどDIPS2.0の申請フォーム内にある「その他特記事項欄」に入力することになるため、調整内容を記録しておきましょう。

申請先となる機関の連絡先は、国土交通省のウェブサイトで確認できます。

また、レベル3.5は国土交通省、イベント上空はイベント主催者等との事前調整が必要です。

ここでいう飛行計画とは、実際の飛行計画であり、DIPS2.0で特定飛行の前に行う飛行計画の通報とは違いますのでご注意ください。

ステップ2:DIPS2.0でのカテゴリー判定と情報入力

事前調整が完了したら、DIPS2.0にログインし、「新規申請」から「簡易カテゴリー判定」を開始します。

カテゴリー判定では、申請する飛行空域(地表または水面から150m以上の高さなど)や飛行方法を選択肢から選び、立入管理措置(立入禁止区画))の有無などの質問に回答していきます。

判定が完了したら、「飛行許可・承認申請へ」進みましょう。

次の画面では、飛行目的を選択し、具体的な飛行期間(開始日と終了日)を入力します。

さらに、飛行場所については住所を記載し、地図上で飛行経路を指定する作業を行います。

ステップ3:飛行マニュアルの選択

申請書を作成する過程では、準拠する「飛行マニュアル」を選択する必要があります。航空局が用意している標準マニュアルには、「航空局標準マニュアル01」と「航空局標準マニュアル02」の2種類があります。

マニュアル01は飛行場所を特定した申請(個別申請)用であり、マニュアル02は飛行場所を特定しない申請(包括申請)用です。

個別申請では、原則として「航空局標準マニュアル01」を選択することになります。地上150m以上の高高度飛行を行う場合も、このマニュアル01が該当します。

ステップ4:申請書の提出と許可

飛行マニュアルを選択した後は、使用する機体情報と操縦者情報を登録済みのデータから選択し、ドローン保険の情報や緊急連絡先などを入力していきます。

すべての項目を入力したら、申請内容の最終確認画面が表示されるため、内容に誤りがないかしっかりと確認しましょう。

レベル3.5飛行や最大離陸重量25kg以上の機体の許可申請では、保険加入が手続き上必須となっています。

確認が完了したら、「申請する」ボタンをクリックして提出が完了します。

申請は飛行開始予定日の10開庁日前までに不備がない状態で提出する必要があり、審査には時間がかかるため、余裕を持って2〜4週間前には申請を行うことをおすすめします。

ドローンショーやレベル3.5飛行のような機体数が多い案件や、難易度が高いものは1ヶ月以上までには申請しておくようにしましょう。

4.個別申請と飛行マニュアルに関する注意点

個別申請を行う際には、申請手続きそのものだけでなく、スケジュール管理や申請先、飛行マニュアルの遵守、許可取得後の義務など、押さえておくべき重要なポイントがいくつか存在します。

特に、標準マニュアルの制約を超えた飛行を行う場合や、許可取得後の飛行計画通報については、見落としがちな注意点です。

ここでは、個別申請と飛行マニュアルに関する3つの重要な注意点について詳しく解説していきます。

4-1. 申請費用と申請先(東京航空局・大阪航空局)

DIPS2.0を通じたドローンの飛行許可・承認申請は、個別申請と包括申請のいずれも、国へ支払う手数料はかからず無料で行えます。

申請先は飛行内容によって異なり、個別申請のうち空港周辺や地上150m以上の飛行は、飛行場所を管轄する空港事務所へ提出します。

それ以外の申請は、申請者の住所地を管轄する東京航空局または大阪航空局が申請先となります。

東京航空局は新潟県・長野県・静岡県以東、大阪航空局は富山県・岐阜県・愛知県以西を管轄しており、DIPS2.0では飛行場所や申請内容に応じて自動的に振り分けられますが、管轄の境界を把握しておくことが大切です。

例えばドローンショーは、150m以上、目視外飛行、夜間飛行、イベント上空など複合的な申請になるため、空港事務所と航空局両方に申請をしなければいけません。

4-2. 独自マニュアルによる飛行(風速5m/s超など)

国が提供する航空局標準マニュアルは、安全のため厳しい運用ルールが定められています。

原則風速5m/s以上の状態では飛行させない、雨の場合や雨になりそうな場合は飛行させないといった規定が代表的です。

もし、標準マニュアルの規定を超えた条件で飛行する必要がある場合は、航空局標準マニュアルに基づいて独自マニュアルを作成し、追加の安全対策を明記した上で申請を行わなければなりません。

このような申請は包括申請でも可能な内容もありますが、個別申請として扱わなければいけないケースもあります。

独自マニュアルの作成には専門知識が求められ、審査も厳しくなる傾向があるため、慎重な準備が必要です。

4-3. 許可取得後の義務(飛行計画の通報)

個別申請または包括申請の許可・承認が下りた後も、実際にドローンを飛ばす直前には「飛行計画の通報」をDIPS2.0で行う義務があります。

この通報は許可・承認とは別の手続きであり、包括申請で許可を得ている場合でも飛行の都度必要となる点に注意が必要です。

飛行計画の通報では、飛行予定日時や経路、登録記号、操縦者情報、許可番号などを入力します。

飛行計画の通報を怠って特定飛行を行うと、航空法違反として30万円以下の罰金が科せられるリスクがあるため、必ず実施しましょう。

5.ドローン申請(個別・包括)は専門家に相談を

ドローンの個別申請や包括申請は、航空法や飛行マニュアルの深い理解を必要とし、手続きも複雑です。

申請が通っても飛行マニュアルに沿った運用が求められるため、安全基準を正しく把握しておくことが重要になります。

業務での高リスク飛行など、標準マニュアル外の飛行を計画している場合は、判断に迷うケースも多いでしょう。

そのような場合は、ドローン法務に精通した専門家(行政書士)に相談することで、適切な申請方法や安全対策について的確なアドバイスを受けられます。

バウンダリ行政書士法人はドローン法務に特化した専門チームを擁しており、初回無料で相談を受け付けています。

申請に不安がある方は、ぜひ問い合わせを検討してみてください。

 

AUTHOR

執筆者

代表行政書士 佐々木 慎太郎

バウンダリ行政書士法人

代表行政書士 佐々木 慎太郎

(Shintaro Sasaki)

日本屈指のサポート実績を誇る、ドローン法務のプロフェッショナル

ドローンに関する許認可申請、許認可管理、法務顧問を専門とするバウンダリ行政書士法人の代表。飛行許可申請をはじめメーカー支援、登録講習機関の開設やスクール運営、事業コンサルティング、空飛ぶクルマなど支援の幅を広げ日本屈指のサポート実績を誇る。2025年のドローン許認可対応案件は10,000件以上、登録講習機関のサポート数は200社を突破。
無人航空機事業化アドバイザリーボード参加事業者および内閣府規制改革推進会議メンバーとして、ドローン業界の発展を推進している。またドローン安全飛行の啓蒙活動として、YouTube「ドローン教育チャンネル」や公式LINEを開設するなどSNSで最新の法律ルールを積極的に発信している。著書に『ドローン飛行許可の取得・維持管理の基礎がよくわかる本』(セルバ出版)がある。
・内閣府規制改革推進会議ワーキンググループメンバー
・国交省航空局無人航空機事業化に向けたアドバイザリーボードメンバー
・国交省多数機同時運航の普及拡大に向けたスタディグループメンバー
としてドローン業界の発展を推進しています。
さらに、国土交通省との人事交流も行い、行政と業界の橋渡し役として制度の合理化・適正化に尽力しています。

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