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ドローン高度の限界は?法律の150m制限と申請方法

2026.03.13

ドローン高度の限界は?法律の150m制限と申請方法

ドローンを安全かつ合法的に飛行させるには、高度制限に関する正しい知識が欠かせません。航空法では地表または水面から150mという明確な基準が設けられていますが、「地上高」と「海抜」の違いや地形による変動など、実際の運用では注意すべき点が多く存在します。
本記事では、法律で定められた高度制限の根拠から計算方法、150m以上飛行させる際の申請手続き、機体性能の限界まで、ドローンの高度に関する実践的な知識を体系的に解説します。

航空法によるドローンの高度制限「地上150m」

ドローン高度の限界は?法律の150m制限と申請方法

日本の航空法では、ドローンを安全に飛行させるための高度制限が定められています。

機体本体とバッテリーの合計重量が100g以上のドローンは、地表または水面から150m以上の高さで飛行させる場合、国土交通省の許可が必要です。

この制限は航空機の安全な航行を確保するために設けられており、違反すると罰則の対象となります。

法律上の飛行高度の上限

日本の航空法において、無許可でドローン(100g以上)を飛行させることができるのは「地表または水面から150m未満」の空域に限定されています。

この150mという高さが、航空法におけるドローン飛行の基本的な高度制限となっており、すべての操縦者が遵守しなければなりません。

もし150m以上の上空を飛行させる場合は、例外なく国土交通省への許可申請が必要になります。

申請なしで150m以上の高度で飛行させた場合、航空法違反として罰則が科される可能性があるため、必ず事前に許可を取得しましょう。

150m制限が設けられた理由

ドローンに高度制限が設けられている主な理由は、旅客機や貨物機といった航空機の航行の安全を確保するためです。

ほとんどの航空機は、空港周辺などを除き、地上150m以上の高度で飛行しています。

もしドローンが150m以上の空域に侵入すると、航空機との衝突やニアミスのリスクが生じ、重大な事故につながる危険性があります。

実際に海外では、ドローンと航空機の衝突事故も報告されており、空の安全を守るために高度制限は不可欠なルールとなっています。

規制の対象となる機体重量(100g以上)

航空法における高度制限(150m)や許可申請の対象となるのは、機体本体とバッテリーの合計重量が100g以上のドローンです。

2022年6月19日以前は200g以上のドローンが規制対象でしたが、航空法改正により100g以上に変更されました。
この変更により、多くのホビー用ドローンも航空法の規制対象に含まれることになりました。

したがって、100g以上のドローンを所有している場合は、この150mの高度制限を遵守する義務があり、それ以上の高度で飛行させる際には必ず許可申請が必要になります。

100g未満の機体に関する注意点

機体重量が100g未満のドローンは、航空法における高度150mの制限の適用外となります。
ただし、150m以上の適用外であっても、100g未満の機体は本来屋内での使用が想定されており、屋外での高高度飛行は安全上の理由から避けるべきです。

また、緊急用務空域、一部の空港、一定の高度以上の飛行、そして小型無人機等飛行禁止法や地方自治体の条例等では、100g未満の機体でも規制の対象となるため注意が必要です。

100g未満のドローンであっても、高所から墜落すれば地上にいる人に大怪我をさせる危険性があります。

機体が軽量だからといって安全とは限らないため、飛行時には周囲の状況を十分に確認し、安全に配慮した運用を心がけましょう。

高度計算に関する重要な知識|「地上高」と「海抜」

ドローン高度の限界は?法律の150m制限と申請方法

ドローンの高度制限を正しく理解するには、「地上高」と「海抜」の違いを把握することが不可欠です。

航空法が定める150m制限は「地上高」を基準としていますが、ドローンのスペック表に記載される限界高度は「海抜」で表示されることもあるため、両者を混同すると法律違反につながる恐れがあります。

また、飛行場所の地形によって地上高は常に変動するため、山や谷、ビルなど高低差のある環境では特に注意が必要です。

用語

定義

根拠となる基準

地上高(AGL)

ドローンが飛行している真下の地面または水面から、機体までの垂直な高さ。

航空法の高度制限(150m)の基準。地形によって変動する。

海抜(ASL)

近隣の海の平均海面を0mとした場合の高さ。

ドローン機体のスペック(航行限界高度など)の基準。地形に関わらず一定。

 

航空法が定める「地上高」の定義

航空法における「地上高」とは、ドローンが飛行している真下の地面または水面から、ドローン機体までの垂直距離を指します。

法律上の150m制限は、この地上高で判断されるため、操縦者は常に真下の地表面からの高さを意識しなければなりません。

地上高は飛行場所の地形によって常に変動する相対的な高さであり、たとえば平地で飛ばす場合と山の斜面で飛ばす場合では、同じ海抜高度でも地上高は大きく異なります。

この点を理解せずに飛行させると、知らないうちに法律違反となるリスクがあるため注意しましょう。

機体スペックに使われる「海抜」の定義

「海抜」とは、近隣の海の平均海面を0mとした時の絶対的な高さを意味します。

ドローンの性能を示すスペック表に記載される「航行限界高度」などは、この海抜で表示されていることが多く、地上高とは異なる基準であることを理解しておく必要があります。

海抜は真下の地形に関わらず一定の値を示すため、海抜1,000mの場所で飛行している場合、地表が平地でも山頂でも海抜1,000mという数値は変わりません。

しかし、航空法の高度制限は地上高で判断されるため、スペック表の海抜表示をそのまま法律の基準と考えてはいけません。

地形によって「地上高」が変わる事例

山頂から地上高10mの位置でドローンを水平移動させた場合、谷や崖の上空に差し掛かると、ドローンの海抜は変わらなくても地上高は150mを超えてしまうリスクがあります。

たとえば、富士山の山頂(海抜3776m)でドローンを飛ばす場合、許可なく飛行できるのは山頂の地面から150mまで(海抜3926m相当)であり、海抜で判断すると誤った運用につながります。

高低差のある場所で飛行させる際は、意図せず法律違反とならないよう、常に真下の地表面からの距離である地上高を意識することが求められます。

ビルの屋上から飛ばす場合の「地上高」

高いビルの屋上からドローンを飛ばす場合も、高度の基準は地面からとなるため注意が必要です。

高さ150m以上のビルの屋上からドローンを離陸させた場合、その時点で地上高が150m以上となります。

山の斜面とは異なり、ビルの屋上から離陸する際は建物の高さ分だけすでに地上高が加算されているため、離陸直後から法律の制限に抵触する可能性があることを理解しておきましょう。

都市部でのドローン飛行では、このような建物の高さも考慮した運用が不可欠です。

一応高さ150m以上の建物の周囲30mは規制の対象外という例外もありますが、知らないうちに違反していることがあるため、注意が必要です。

150m以上の高高度飛行を実現する方法

ドローン高度の限界は?法律の150m制限と申請方法

航空法の原則では地上150m未満の飛行に制限されているドローンですが、正規の手続きを踏むことで150m以上の高高度飛行も可能になります。

具体的には、飛行する空域を管轄する空港事務所に許可申請を行い、事前調整を経て承認を得る必要があります。

ただし前述した通り、高層構造物の点検など特定の条件を満たす場合は、例外的に申請が不要となるケースも存在します。

必要な許可申請の概要

150m以上の高度でドローンを飛行させるには、飛行する空域を管轄する空港事務所にその都度、許可申請書を提出する必要があります。

申請書には、飛行目的、日時、経路、高度、機体情報、操縦者の知識・能力、安全体制、保険加入状況などを詳細に記載しなければなりません。

民間資格や国家資格(二等以上)を所持している場合、申請手続きの一部が省略できる可能性がありますが、申請自体が不要になるわけではないことを理解しておきましょう。

資格の有無に関わらず、高高度飛行には必ず事前の許可取得が求められます。

申請前に必要な事前調整

DIPS2.0(ドローン情報基盤システム)で申請する前に、飛行予定空域の管理者(空港事務所など)を特定し、事前調整を完了させておく必要があります。

飛行計画や安全管理体制について空域管理者と調整し、合意した内容を申請書に記載することが必須です。

事前調整には時間がかかるため、飛行予定日より十分な余裕をもって準備を開始しましょう。

急な飛行計画では調整が間に合わず、許可が得られない可能性があるため、計画的な準備が不可欠です。

申請が不要となる例外(高層構造物)

高層ビル、煙突、鉄塔といった高い構造物の点検などを行う場合に限り、規制が緩和される例外措置があります。

地表または海抜から150m以上の空域であっても、当該構造物から水平に30m以内の空域については、飛行禁止空域から除外され、空港事務所への申請が不要となります。

機体性能上の最高高度と安全運用

ドローン高度の限界は?法律の150m制限と申請方法

航空法の150m制限とは別に、ドローンには機体性能としての最高高度が存在します。

スペック表に記載される航行限界高度は数kmに達する機体もありますが、メーカーは安全のためソフトウェアでより低い高度に制限していることが一般的です。

高高度飛行を実施する際は、機体の限界だけでなく、高度維持機能や目視範囲といった安全対策を十分に理解しておく必要があります。

機体性能(航行限界高度)の目安

ドローンの性能としての最高高度はスペック表に「航行限界高度」などと記載されており、一般的な機体で数km(1000m以上)に達するものも多く存在します。

しかし、これらは理想的な条件下での数値であり、実際には風や天候、バッテリーの影響を受けるため、限界高度まで飛行できることは稀です。

高高度では空気が薄くなり揚力を失いやすくなるため、操縦が難しくなりバランスを崩しやすいリスクがあります。

スペック表の数値はあくまで理論値として捉え、実際の運用では余裕を持った高度設定が求められます。

メーカーによる安全高度設定(DJI500mなど)

高性能な機体であっても、安全上の理由から、購入時にメーカーによって最高高度の制限(リミッター)がソフトウェアで設定されていることが多くあります。

たとえばDJI社製のドローンの多くは、安全な離着陸が可能な高度として、最高500mまでの上昇に制限されています。

これらの設定はメーカーに申請をすれば変更可能な場合もありますが、メーカーの安全基準を超えた飛行は墜落リスクが高まるため、安全性を考慮するとメーカー設定を維持することが望ましいでしょう。

無理な高度設定の変更は事故につながる可能性があります。

高高度飛行の安全対策(高度維持機能と目視)

安全にドローンを飛行させるため、自動で一定の高度を維持してくれる「高度維持機能」を搭載した機体を選ぶことが有効です。

ただし、高度維持機能の多くは「海抜」で高さを測るため、山間部などでは「地上高」が150mを超えないよう別途注意が必要になります。

最も基本的な安全対策として、ドローンの操縦は操縦者自身の目で機体を視認できる「目視可能な範囲内」で行うことが不可欠です。

目視外飛行は法律上も制限されており、安全確保の観点からも必ず遵守しましょう。

ドローンの高度制限や申請は法律の専門家へ相談を

ドローンの飛行高度には、航空法による「地上高150m」の制限と、機体性能上の「海抜」での限界があります。

特に地上高の計算は、山間部やビルの屋上など地形によって変動するため、意図せず法律違反となるリスクが伴います。

150m以上の高高度飛行を実施する場合、空港事務所との事前調整が必要になるなど手続きが複雑です。

安全な運用と法令遵守を確実にするため、ドローン法務に精通した専門家(行政書士)への相談が有効といえます。バウンダリ行政書士法人はドローン法務に特化しており、初回無料で相談を受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。

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執筆者

代表行政書士 佐々木 慎太郎

バウンダリ行政書士法人

代表行政書士 佐々木 慎太郎

(Shintaro Sasaki)

日本屈指のサポート実績を誇る、ドローン法務のプロフェッショナル

ドローンに関する許認可申請、許認可管理、法務顧問を専門とするバウンダリ行政書士法人の代表。飛行許可申請をはじめメーカー支援、登録講習機関の開設やスクール運営、事業コンサルティング、空飛ぶクルマなど支援の幅を広げ日本屈指のサポート実績を誇る。2025年のドローン許認可対応案件は10,000件以上、登録講習機関のサポート数は200社を突破。

無人航空機事業化アドバイザリーボード参加事業者および内閣府規制改革推進会議メンバーとして、ドローン業界の発展を推進している。またドローン安全飛行の啓蒙活動として、YouTube「ドローン教育チャンネル」や公式LINEを開設するなどSNSで最新の法律ルールを積極的に発信している。