2024.09.17
プレスリリース
無人航空機を通じた更なる産業振興に向けて、今後は物流をはじめとする多様なシーンでの利活用が想定される。それらの実現には都市部も含む「有人地帯(第三者上空)での補助者なし目視外飛行」を定義する「レベル4飛行」の実現が不可欠となる。
昨年(令和3年)6月に公布された改正航空法において、安全上の観点でこれまで認めていなかった「レベル4飛行」の実現を、本年(令和4年)度達成を目標として進めていた。同法の施行は本年(令和4年)12月頃を予定しており、これに向けて更なる制度の詳細検討を進めている現状である。
また、レベル4飛行の実現には安全性を担保できる仕組みが非常に重要であり、「機体認証制度」および「操縦ライセンス制度」の新設と、「運航管理要件」の拡充に関する制度整備を行っており、一定の条件を満たした場合において、「レベル4飛行」が可能になる。
今回の新制度は、飛行のリスクに応じて必要な安全性を担保しながら、申請等の手続きを簡略化させることにより、ドローン産業のさらなる発展に向けた施策といえる。
無人航空機を飛行させる上で、必要なスキル(知識及び能力)を有していることを証明する資格制度が新設される。新制度におけるライセンスは国家資格であり、一等無人航空機操縦士と二等無人航空機操縦士に区分され、無人航空機の種類又は飛行方法について限定をすることが可能となる。
二等資格(二等無人航空機操縦士)は、第三者上空は飛行せず、条件を満たせば飛行申請の一部省略・免除となる「カテゴリーII」の飛行が可能で、SKYPEAK(スカイピーク)、JUIDA(日本UAS産業振興協議会)、JDC(日本ドローンコンソーシアム)をはじめとする国交省認定の民間ライセンス保有者や該当講習の受講検討者にとって関心の高い内容といえる。
そして今回の改正によって「レベル4飛行」が解禁されるが、その実現には一等資格(一等無人航空機操縦士)の保有が必要になる。一等資格は「カテゴリーIII」での飛行、つまり有人地帯での目視外飛行が可能な技能を有している証明であり、新たなドローン飛行の社会実装に向けて、安全性を担保するために必要な資格となる。
どちらの操縦ライセンスを取得するにも、講習を受けた上で身体検査や学科試験を受ける必要がある。
つまり、民間ライセンス自体がそのまま国家資格に移行するわけではないが、講習時間や実地試験の一部免除など、資格取得のメリットにつながる。
身体検査は、視力、色覚、聴力、運動能力等を測定する。学科試験を実施する「指定試験機関」で身体検査を受ける以外に、有効な公的証明書や医療機関の診断書で代用することも可能だ。※ただし、一等資格(25kg以上)は医師の診断書が必要になる予定。
学科試験は、民間の指定試験機関にて、CBT(Computer Based Testing)方式で実施される予定だ。問題は三肢択一の型式を取り、一等資格と二等資格では問題数と試験時間が異なる。
実地試験は、「登録講習機関」の講習を修了していれば免除される。現在講習団体の無人航空機ライセンス(以後、民間技能認証)を保有している者や一定の経験を有している者でも、新制度の国家資格を取得するには「登録講習機関」にて講習を受けなければならない。ただし、民間ライセンスの保有者は一部の学科と実地の講習が免除される。
以下は運航レベルに関わらず適用される、共通ルールとして定められている。
1、2、3は現行でも適用されている。3と4は、墜落事故の再発防止や負傷者の救護のために、許可・承認が必要ない飛行であっても課される義務だ。それぞれの詳細についてはまだ公表されていないが、これらの義務を果たさなかった場合の罰則も検討されている。
また「レベル4飛行」を行う場合、基本的な安全措置に加えリスク評価とその結果に基づいたマニュアル作成を行う必要がある。
Q.新制度では、免許の種類は何がありますか?
A.「一等無人航空機操縦士」と「二等無人航空機操縦士」の2種類あり、どちらも国家資格になります。
「一等無人航空機操縦士」は有人地帯(第三者上空)の目視外飛行が可能な技能を有し、「二等無人航空機操縦士」は有人地帯(第三者上空)は飛行できず、一定の条件を満たせば飛行許可申請の一部が不要となる資格です。
Q.講習団体のライセンス(民間技能認証)を持っていると、新制度の操縦ライセンス取得にメリットはありますか?
A.民間ライセンスの保有者は、一部の学科と実地講習が免除されるなどのメリットがあり、比較的スムーズに新制度の操縦ライセンスを取得することができます。
▼参考:
無人航空機の有人地帯における目視外飛行(レベル4)の実現に向けた検討小委員会 中間とりまとめ(国土交通省)
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