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ドローン飛行許可の取得基準

2022.03.01

ドローン飛行許可の取得基準

ドローンの審査基準

ドローンの許可申請の審査は国土交通省が行います。許可申請の審査では、「ドローン自体の機能と性能」、「操縦者の飛行経歴・知識・技能」、「安全を確保するための体制」の3つの視点から総合的に許可されるかどうかの判断がされます。

審査では許可の基本的な基準と、許可が必要な9つのケースそれぞれの基準を決めています。

審査が楽なドローン

ドローンはDJIのものを購入し、そのまま使用するのであれば審査はほぼ顔パスといっても良いくらい機体の審査は問題ありません。DJIドローンの多くは、審査する国土交通省に機能と性能が認められているからです。

国土交通省のホームページに「資料の一部を省略することができる無人航空機」というタイトルで国土交通省に機能と性能が認められたドローンのリストが掲載されています。国土交通省のホームページに掲載されているので、「ホームページ掲載機」とも呼ばれています。

このリストはドローンの機種が国土交通省に認められる度に更新されていきます。1年間に何度か更新されるので、新しいドローンを申請する時は、事前に最新のリストをチェックする癖をつけるようにしましょう。

ドローン操縦者の審査

ドローンの種類ごとに10時間以上の飛行経歴が必要です。この種類はドローンの機種、例えばDJIのPhantom4やInspire2ごとではなく形(飛行機、回転翼航空機、飛行船など)ごとの飛行経歴です。

許可申請されているドローンのほとんどはマルチコプター(回転翼航空機)で、プロペラが上向きにいくつか付いているドローンです。このタイプのドローンであれば、違う製品のドローンを飛ばしても10時間の飛行経歴に加えることができます。

次にドローンに関係する法律と、安全にドローンを飛ばすための知識も必要です。具体的には天気、ドローンの点検する項目や安全機能などについての知識です。

最後にドローンを飛ばすときに必要な能力です。飛行前にバッテリー残量や周囲の安全確認ができるかということや、GPSを使わない少し不安定な状態で、安定してドローンを飛ばすことができることです。この操縦者の要件は、ドローンスクールを受講して早く習得するのも選択肢の1つです。

安全を確保するための体制

最後は安全を確保するための体制の部分です。この体制というのは、主に飛行マニュアルに記載されている内容です。

重要なので説明しますが、飛行マニュアルは飛行許可申請をするときに一緒に提出するマニュアルです。ドローン飛行前・飛行後の点検方法や飛行時に守らなければいけないルールが定められています。

飛行許可を取得したときは、この飛行マニュアルを守ってドローンを飛ばさなければいけません。本来は許可申請者が作成しないといけないのですが、難しいので国土交通省が安全確保のための最低限の内容を盛り込んだ標準マニュアルを作成してくれています。この飛行マニュアルを「航空局標準マニュアル」といいます。

そのままこのマニュアルを使用することができるので、まずは航空局標準マニュアルを読んでみましょう。国土交通省が作成したマニュアルは最低限の内容なので、飛行させる内容に合わせて自分で飛行マニュアルを作成したり、航空局標準マニュアルを一部変更したものを使用することもできます。

飛行許可が必要なケースそれぞれに基準がある

基本的な3つの基準の他に、許可申請が必要な9つのケースそれぞれに具体的な基準(追加基準)もあります。例えば、人口集中地区内での飛行では原則プロペラガードを付けて飛ばさなければいけないことや、夜間飛行ではドローンの向きが見て分かるようなライト(灯火)が付いているドローンを使わなければいけません。

SUPERVISOR

監修者

代表行政書士 佐々木 慎太郎

バウンダリ行政書士法人

代表行政書士 佐々木 慎太郎

(Shintaro Sasaki)

日本屈指のサポート実績を誇る、ドローン法務のプロフェッショナル

行政書士として建設業などの根幹産業と関わり、ドローンに特化したバウンダリ行政書士法人を創設。ドローン運航に必要な包括申請から高難度な飛行許可申請、国家資格スクール(登録講習機関)の開設・維持管理・監査まで幅広く対応し、2023年のドローン許認可件数は10,000件以上を突破。
無人航空機事業化アドバイザリーボード参加事業者および内閣府規制改革推進会議メンバーとして、ドローン業界の発展を推進している。またドローン安全飛行の啓蒙活動として、YouTube「ドローン教育チャンネル」を開設するなどSNSで最新の法律ルールを積極的に発信。著書に『ドローン飛行許可の取得・維持管理の基礎がよくわかる本』(セルバ出版)がある。