2024.06.28
飛行ルール・法律
2022.02.28
埼玉県でドローンの許可申請をするにはどのような手続きをすればよいでしょうか?
まず、どのような場合にドローンの飛行許可が必要でしょうか。航空法により200g以上のドローンの飛行には、空域規制があります。これらの規制区域については、航空法による許可を受けた場合のみ飛行が可能となります。
無人航空機の飛行許可が必要な空域は以下の通りです。
①空港等の周辺空域
②人または住宅の密集している地域(人口集中地区(地域))上空
③地表または水面から高さ150m以上の空域
④緊急用務空域
なお、これらの規制以外にも例えば、国会議事堂や内閣総理大臣官邸などの国の重要な施設、外国公館、原子力事業所などの周辺も飛行禁止区域になります。
また、200g以上のドローンには飛行可能空域以外にも、以下の飛行ルールを守る必要があります。
[1] アルコール又は薬物等の影響下で飛行させないこと
[2] 飛行前確認を行うこと
[3] 航空機又は他の無人航空機との衝突を予防するよう飛行させること
[4] 他人に迷惑を及ぼすような方法で飛行させないこと
[5] 日中(日出から日没まで)に飛行させること
[6] 目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること
[7] 人(第三者)又は物件(第三者の建物、自動車など)との間に30m以上の距離を保って飛行させること
[8] 祭礼、縁日など多数の人が集まる催しの上空で飛行させないこと
[9] 爆発物など危険物を輸送しないこと
[10] 無人航空機から物を投下しないこと
[5]~[10]の飛行ルール以外で飛行させる場合には、国土交通大臣の承認が必要です。
では、飛行規制空域の「②人または住宅の密集している地域(人口集中地区(地域))上空」とはどのようなところをいうのでしょうか。
人口集中地区の設定に当たっては、国勢調査基本単位区及び基本単位区内に複数の調査区がある場合は調査区(以下「基本単位区等」という。)を基礎単位として、
1)原則として人口密度が1平方キロメートル当たり4,000人以上の基本単位区等が市区町村の境域内で互いに隣接して、
2)それらの隣接した地域の人口が国勢調査時に5,000人以上を有するこの地域を「人口集中地区」としています。
しかし、この定義では実際にドローンを飛ばせるのかを判断するのは、極めて困難でしょう。
そこで、どの場所が人口集中地区(地域)なのかについては、【国土地理院】地理院地図「人口集中地区H27年(総務省統計局)」で確認できます。R2年(総務省統計局)に近々変わり、人口集中地区の範囲も更新される予定です。
また、誰でも使える地理情報システムである「j STAT MAP」という地域分析ツールやドローンフライトナビ(iosのみ対応)というアプリからも人口集中地区を確認できます。
空港等の周辺の空域や人口集中地区の上空を飛行させる場合等、また、夜間や目視外等において無人航空機を飛行させる場合等には、空港事務所長又は地方航空局長の許可や承認が必要です。
では、申請先を見てみましょう。
ドローンの許可申請は、航空法第 132 条第1項第1号の空域(空港等の周辺、高度 150m 以上、緊急用務空域)における飛行の許可申請については、「各空港事務所」になります。
それ以外の許可・承認については「地方航空局」になります。
最寄りの空港事務所等に申請書類を持参すると、申請場所となる地方航空局又は空港事務所にこれらの申請書類を経由することが出来ますが、経由すると審査に時間がかかってしまいます。また、今はオンラインサービスでの許可申請も普及しているので、空港事務所等に申請書類を持参して申請することのメリットはほとんどありません。
申請については飛行開始予定日の少なくとも10開庁日前までに申請書類を提出する必要があり、不備があるとさらに時間を要する場合があるので注意しましょう。
また、埼玉県の地方公共団体が定める条例や「小型無人機等の飛行禁止法」等により飛行が禁止されている場所・地域があるので、地方航空局への申請とは別に、必ず飛行を希望する地域で無人航空機の飛行が可能か確認します。その後、必要な手続きを済ませてから飛行させることが必要です。
急な空撮依頼への対応など、業務の都合上、飛行経路が決定してから飛行させるまでに手続きを行う期間が確保できない場合もあるでしょう。そのような場合は、飛行経路を特定せずに日本全国を飛行経路として申請を行うことも可能となっています。ただし、空港等の周辺、150m以上の高さの空域の飛行、緊急用務空域やイベント上空等の場合には、この方法は認められていないので注意してください。
申請については次の方法が可能です。
①オンラインサービスによる許可申請の場合
以下のURLからオンライン申請が可能です。
飛行開始予定日の少なくとも10 開庁日前までに不備等がない状態で提出する等の申請に関する条件は、書面での申請と同様です。オンライン申請の場合は許可・承認までのスピードが書面での申請より早く、申請数も書面での申請よりオンライン申請の方が圧倒的に多いです。
オンラインサービス専用URL: https://www.dips.mlit.go.jp/
②郵送による許可申請の場合
普通郵便でも可能ですが、記録が残る簡易書留が推奨されています。多くの方はレターパックで郵送しています。発行された許可書等についても郵送を希望される場合、返信用封筒に基本料金相当の切手を貼付の上、申請窓口あてに郵送します。オンライン申請ではシステム上対応できない申請が一部あるので、その場合は郵送による許可申請をします。
③持参による許可申請の場合
窓口の受付時間に、返信用封筒及び切手も持参する必要があります。
埼玉県におけるドローン飛行許可申請でも、バウンダリ行政書士法人では全国対応をしていますので、オンライン申請を代行しております。ドローン飛行許可申請に詳しい行政書士に依頼し、安心して飛行できるようにしましょう。
バウンダリ行政書士法人
代表行政書士 佐々木 慎太郎
(Shintaro Sasaki)
行政書士として建設業などの根幹産業と関わり、ドローンに特化したバウンダリ行政書士法人を創設。ドローン運航に必要な包括申請から高難度な飛行許可申請、国家資格スクール(登録講習機関)の開設・維持管理・監査まで幅広く対応し、2023年のドローン許認可件数は10,000件以上を突破。
無人航空機事業化アドバイザリーボード参加事業者および内閣府規制改革推進会議メンバーとして、ドローン業界の発展を推進している。またドローン安全飛行の啓蒙活動として、YouTube「ドローン教育チャンネル」を開設するなどSNSで最新の法律ルールを積極的に発信。著書に『ドローン飛行許可の取得・維持管理の基礎がよくわかる本』(セルバ出版)がある。