ABOUT DRONE

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ドローンを使って、どんなことができる?

ドローンを使って、どんなことができる?

「ドローンでできること」というと、皆さんどのようなことを想像しますか?

まずはテレビなどでもよく見る「空撮」などがあげられると思います。機体登録が不要で安価に購入できるトイドローンの普及もあり、趣味として、山や海などでドローンを空撮して楽しんでいる方も増えていますよね。また近年では、オリンピックの開会式でもドローンを用いたショーが行われたこともあり、ドローンそのものを使用したエンターテインメントのイメージも強いのではないのでしょうか。

 

それだけではなく、ドローンはその特性を活かしてさまざまな産業でビジネスに活用されており、建設工事・物流・警備・農業・人命救助・ドローンのレースなど、沢山の活用事例があります。ではドローンが実際にどのようなことに使われているのか、事例を一部ご紹介します。

ドローンを趣味で使う

空撮

従来では撮れなかったような綺麗で迫力のある写真・動画が撮影できることから、趣味としてドローンを楽しむ人が増えています。空からの景色を見る事ができ、動画や写真に撮ることができるのはドローンならではの醍醐味でしょう。

 

 

レース

ドローンの楽しみ方は映像に限らず、ドローンレースに出てスピードを競いたい人もいるでしょう。100㎞/h超えの空飛ぶマシンを自在に操るのは、鳥になったような爽快感を味わえます。また競技人口が少なく注目度抜群です。

 

プログラミング

ドローンといえば空撮用やレースなど競技用が思い浮かぶと思いますが、実はプログラミングできる教育用ドローンがあることをご存じですか?2020年度からのプログラミング教育必修化に伴って、ドローンでのプログラミングも注目を集めています。小中学生向けのドローンプログラミング教室も増えています。

ドローンのビジネス活用

空撮

ドローンがビジネスに活用されている事例が最も多いのは、やはり映像・エンタメ業界です。
実際に許可申請をしているドローンの多くが空撮で活用されています。

ドローンは空中に停止しての撮影や、精密な小回りの利く飛行もできるので、被写体に接近しての撮影が可能です。これまでになかった、空からの俯瞰の映像は迫力やインパクトもあり、見る人の目を惹きつけますよね。映画、テレビドラマ、CMやニュース、アーティストのライブでの演出など、例を挙げるときりがありません。現在は新型コロナウイルス感染症の影響で、オンラインの生配信でドローンの映像を楽しむことができるサービスなども出てきています。

 

物流

ドローンを使った配送事業は、今後の物流業界の課題を解消するとして注目を集めています。現在、インターネットによる販売サービスが増えると同時に物流システムでの課題点が浮かび上がってきていますが、配送荷物の増加や再配達による労働者不足、交通渋滞による効率の低下などがあります。

 

その点、ドローンは交通インフラの影響を受けません。また、遠隔地への配送が容易になります。地上と空の2つのルートで配送の分担をすることで、配送量の増加への対応も期待されています。輸送用ドローンの発展は、配送業界にとって事業革新への鍵を握っているともいえます。

調査・点検

ドローンを活用した外壁調査の様子 <写真提供>SKY ESTATE株式会社

赤外線

従来の赤外線調査は、作業員が地上から赤外線カメラで撮影をしていたため、建物の高層部分を精度よく点検することができませんでした。しかし、ドローンを利用することで、高さに関係なく外壁を正面に捉えて水平に撮影することができるため、高層部も点検することができるのです。ドローンに搭載された高精細な赤外線カメラを使えば、小さな異常も見逃しません。

測量

従来の測量は、地上での測量や航空機を使った測量が主でした。ドローンによる測量は、従来法に比べて時間とコストを抑えつつ広範囲の測量を行うことができます。上空から短時間で測量を行うことに加え、測量データの解析も素早く行えます。

 

また、ドローンは無人航空機のため、有人航空機に比べて準備にも時間がかかりません。さらに、ドローン測量はほとんど人員を必要としないため、従来法に比べて人件費を削減することができます。測量したデータを元にして、3Dモデルを比較的容易に作成し、自動的に必要な図を作成することができるのもメリットでしょう。

 

▶︎ ドローン測量のメリットとデメリット

点検

<写真提供>株式会社ジャパン・インフラ・ウェイマーク

点検

インフラの老朽化は、日本が抱える大きな社会問題となっています。現在日本各地に存在する高速道路、トンネル、ダムなど大規模なインフラの多くは、いわゆる高度経済成長期に建設され整備されたもので、老朽化が著しく進んでいます。そこで特定の建築物には、建築基準法に定められた定期の法令点検が義務付けられています。

 

今までは足場を組んで人がロープやゴンドラを使って直接調査していたので、時間と費用がかかっていたのですが、その調査をドローンで行うことによって、調査時間も費用も数分の一になります。ドローンに搭載された赤外線カメラやズームもできる高性能カメラで、人の感覚に頼らず建物劣化部分の調査が安全かつ短時間で可能になり、そして何よりロープやゴンドラでの点検と比べて、危険が少なくなるという点でも有用性が認められています。

 

▶︎ 屋根点検のためドローンを飛ばすには許可が必要?

農薬散布
農薬散布

農業界の抱える人材不足をはじめとするさまざまな課題を解決するため、ドローンを活用したスマート農業が近年大きな注目を集めています。小型で運行の安定性が高いドローンは、農薬・肥料散布や害獣対策、精密農業に有用です。また農業分野にドローン技術が導入されてから、ドローンの利用数や登録機体数は急増し、導入した多くの農家で生産性の向上が立証されています。

 

▶︎ 農業・農薬散布のためドローンを飛ばすには許可が必要?

災害

ヘリコプターのように準備に時間がかからないことや大きな場所を必要としないことから、ドローンは災害時の迅速な被害確認や情報収集などにも活用されています。災害における被害確認や、被災者の発見、情報の収集、物資の運搬など、被災者の救助の補助に大いに役立っています。

 

また火災の場合にはドローンを使って消火剤を散布したり、赤外線カメラで危険な箇所を判別したり、水害の場合にはロープや浮き輪を要救助者へ届けることなどで、直接的に被災者の救助に貢献もしています。ドローンを活用することで、救助者のリスクを減らし二次災害を防ぐことができます。

ドローンスクール

<撮影協力>ドローンビジネススクール(DBS)東京校

近年のドローンの普及拡大に伴い、ドローンの操縦方法や知識について教えるスクールが急速に増え、今や国土交通省HP掲載の認定スクールだけでも全国に1,400校以上もあります。現在では日本国内においてドローンの公的な免許制度はなく、航空法で定められた飛行ルールさえ守っていれば誰でも操縦が可能です。

 

しかし2022年12月からドローンの免許制度が創設される予定であり、それに伴いドローンスクールの需要もさらに高まっています。車の自動車学校のように、多くは一般の会社が運営していますが、最近は高等学校や専門学校でもドローンを教えることが増えてきています。なお、たとえ操縦技術を学ぶ練習(訓練)でも、飛行許可申請が必要なケースでは許可申請をしなければいけません。

国内で注目の活用事例

水中ドローン

海や河川で活躍する「水中ドローン」にも関心が集まっています。海に囲まれた日本にとって、水中ドローンの活用は大きな可能性を秘めています。本格的なビジネス活用という意味では空中ドローンに遅れをとっていますが、海底や護岸などのインフラ調査、船体や船底などの点検、水質調査や海中の事故の調査など、様々な分野で利用され始めています。

医療

事故が発生し負傷者が出た場合、いかに早く救急救命や心肺蘇生を行えるかが生死を分けます。そのような一刻を争う状況の中、AEDを積んだドローンが現場へ駆けつけることで、人力よりも早く運ぶことができ、命を助ける可能性を大幅に高めてくれます。

 

また薬などの医療品を積んだドローンが各薬局に配達を行うことも可能になり、離島や過疎地域に医療を提供することも期待されています。

マッチングサービス

依頼者とパイロット等を結ぶドローンのマッチングサービスを利用することによって、空撮写真・空撮映像だけが欲しい企業が、安価に素材の撮影を発注することなどが可能になります。またパイロットにとっても、顧客企業とのやり取りや飛行許可などを行わずに報酬を得られるという特徴があります。

 

海外ではすでに一般的な存在で、世界シェアナンバーワンのDJIが資金投資をしたことでも有名になっています。国内でも近年、複数の企業がこのようなサービスを導入しており、今後も広がりを見せていくことが考えられます。

 

▶︎ドローンマッチングサービス for 農業

その他

国家戦略特区として、千葉市や仙台市などでは、ドローンを用いた宅配、防災、警備、物流などでの様々な実証実験や取り組みが行われています。

海外で注目の活用事例

警備

治安に危険のある海外では、警備にドローンが積極的に使用されています。ドローンが撮影することで、事件や事故の証拠を残せることはもちろん、警備のためにドローンが飛行していること自体が、具体的な防犯対策に繋がります。また国境警備もドローンなら安全に行うことができます。

広告ビジネス

広告ビジネスにドローンを活用した例として大きな注目を集めたのが、飲料メーカーのコカコーラとペプシが行ったドローンを活用したプロモーション動画が挙げられます。またドローンそのものに広告を貼り付け高層ビルなどに飛ばしたり、スポンサー名の入ったドローンでショーを行うなど広告にも積極的に取り入れられています。

物流サービス

ネット通販大手のアマゾンは2016年にドローンを使用した配送サービスAmazon Prime Airのテストを行ってきましたが、いよいよ今年後半からアメリカ国内で実現化に向かうようです。またスイス国営の郵便社、セブンイレブンやドミノピザ、ウォルマートなど様々な企業でドローンでの配送は導入・検討されています。

その他

ドローン先進国である中国では報道の現場へのドローンの投入、アメリカでは自動飛行するドローンで測量を行いデータを地図データなどに転用するビジネス、イスラエルでは軍事用に開発された測量技術を建築現場にフィードバックし、世界最高峰の精度で建築測量ビジネス、また南アフリカではバーコードなどを取り付けた在庫やパレットをドローンで管理する在庫管理ビジネスが行われています。

ドローンの未来

日本政府の描いている未来社会Society 5.0では、IoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことで、これらの課題や困難を克服を目指しています。また国際的にも、インダストリー4.0(第四次産業革命)として、AIやIoTといったIT技術を積極的に取り入れて、製造業を改革する動きがあります。

 

この分野で特に有望視されているのが、ドローンの活用による新たな市場をつくり出すことです。ドローンもインターネットに接続し、IoT化することで、スマート警備、スマート物流、スマート農業など今までになかったようなビジネスが生まれています。

 

また空飛ぶ車も実用化に向けて動き出しています。2025年の大阪・関西万博ではドローンが人を乗せて移動する「空飛ぶクルマ」によるエアタクシーのサービスが計画されています。空を見上げたら空飛ぶタクシーや、ドローンのデリバリーが飛び交っているSF映画のような光景も、そう遠いことではないかもしれません。

監修者
バウンダリ行政書士法人
代表行政書士 佐々木慎太郎(Shintaro Sasaki)

日本屈指のサポート実績を誇る、ドローン法務のプロフェッショナル

飛行許可申請をはじめ登録講習機関の開設やスクール運営、監査実施、法務顧問、事業コンサルティングなど、ドローン事業を幅広く支援している。
2022年の年間ドローン許認可案件は5,300件、登録講習機関のサポート数は100社を突破。

ドローン安全飛行の啓蒙活動として、YouTube「ドローン教育チャンネル」を開設するなどSNSで最新の法律ルールを積極的に発信している。著書に『ドローン飛行許可の取得・維持管理の基礎がよくわかる本』(セルバ出版)がある。