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包括申請と個別申請

2022.02.28

包括申請と個別申請

ドローンの特定飛行の許可申請をする際には、包括申請と個別申請の2つの種類があります。

包括申請とは

包括申請とは継続的にドローンを飛ばす場合に許可期間を1年、飛ばす範囲を日本全国とする申請です。この申請方法は全国包括申請とも呼ばれています。厳密にいうとちょっと違うのですが、業務上も包括申請という言葉は、ほとんどこの意味で使用されています。飛ばせる範囲は広いですが、飛ばす目的とシチュエーションによって制限がかかってしまうとこともあります。

個別申請とは

包括申請とは別に、許可期間や飛ばす範囲(経路)を特定して申請する方法を個別申請と呼ばれています。ドローンを飛ばすケースごとに個別具体的に申請をします。包括申請では飛ばせないシチュエーションでも飛ばせる内容も多いですが、許可期間や飛ばす範囲に制限がかかってしまうので、原則案件ごとに許可申請をしなければいけません。

個別申請をしなければいけないケース

このようなケースは包括申請ができないシチュエーションなので、一部の飛行目的で飛ばす場合を除き、個別申請をしなければいけません。

・空港などの周辺の空域での飛行

・地表または水面から150m以上の空域での飛行

・人口集中地区(DID地区)内での夜間飛行

・夜間での目視外飛行

・補助者を配置しない(1人での)目視外飛行

・趣味目的での飛行

・研究開発(実証実験)目的での飛行

・イベント上空での飛行

申請窓口の確認方法

申請窓口は包括申請と個別申請で窓口が違います。包括申請の場合は、申請する人(企業)の住所が東西のどちらにあるかで申請窓口が分かれています。具体的には新潟県・長野県・静岡県より東の場合は国土交通省の東京航空局、富山県・岐阜県・愛知県より西の場合は国土交通省の大阪航空局が申請窓口になります。個別申請の場合は、飛行場所が東西のどちらにあるかによって窓口が決まります。飛行場所が東の場合は東京航空局、西の場合は大阪航空局です。あまりないですが飛行場所が東西にまたがっている場合は、包括申請と同じように申請する人(企業)の住所が東西のどちらにあるかで申請窓口が決まります。空港などの周辺の空域と地表または水面から150m以上の空域でドローンを飛ばす場合は、人が乗っている航空機との調整も必要なので、管轄の空港事務所というところが申請窓口になっています。どの申請窓口でも郵送申請とオンライン申請ができます。

※2021年10月から、空港事務所の窓口も包括申請と同じように東西に分かれます。具体的にはドローンを飛ばす場所が新潟県・長野県・静岡県より東の場合は国土交通省の東京空港事務所、富山県・岐阜県・愛知県より西の場合は国土交通省の関西空港事務所が申請窓口になります。

最も多い許可申請の内容

全国包括申請が現在最も申請数が多く、飛行許可申請の王道と言える申請です。業務でドローンを飛ばす方はほとんどこの内容で申請しているので、覚えておきましょう。

・飛ばす範囲が全国
・飛ばす期間が1年間
・飛行させる高さは地表または水面から150m未満
・人口集中地区(DID地区)内での飛行
・夜間での飛行
・目視外(FPV)飛行
・人または物件から30m以上の距離を保てない状況での飛行
これらを全て含めた申請が現在のスタンダードです。

SUPERVISOR

監修者

代表行政書士 佐々木 慎太郎

バウンダリ行政書士法人

代表行政書士 佐々木 慎太郎

(Shintaro Sasaki)

日本屈指のサポート実績を誇る、ドローン法務のプロフェッショナル

行政書士として建設業などの根幹産業と関わり、ドローンに特化したバウンダリ行政書士法人を創設。ドローン運航に必要な包括申請から高難度な飛行許可申請、国家資格スクール(登録講習機関)の開設・維持管理・監査まで幅広く対応し、2023年のドローン許認可件数は10,000件以上を突破。
無人航空機事業化アドバイザリーボード参加事業者および内閣府規制改革推進会議メンバーとして、ドローン業界の発展を推進している。またドローン安全飛行の啓蒙活動として、YouTube「ドローン教育チャンネル」を開設するなどSNSで最新の法律ルールを積極的に発信。著書に『ドローン飛行許可の取得・維持管理の基礎がよくわかる本』(セルバ出版)がある。