2026.03.13
資格・スクール
2026.03.13
2023年12月に飛行レベル3.5が新設されたこと、2025年12月18日から民間資格が飛行許可申請時の飛行実績の証明としての効力を失い、国家資格のみが認められることになったことなど、ドローン国家資格の重要性は一段と高まっています。
2025年12月26日には、航空局標準飛行マニュアルが変更され、国家資格を持っている操縦者は、熟練者扱いとなり、一部の操縦訓練・手順が省略可能となりました。
近年では、国家資格の取得に向けてドローンスクールの受講を検討される方も増えていますが「どのスクールを選べばよいのか?」と悩むケースも少なくありません。
そこで本記事では、ドローン国家資格の取得を目指すうえでのスクールを受講するメリット、スクールの選び方、費用目安についてわかりやすく解説します。
ドローン国家資格の取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
本章では、ドローン国家資格の種類や民間資格との違い、必要性について解説します。
まずはドローン国家資格の特徴を正しく理解することから始めましょう。
2022年12月5日より開始された「無人航空機操縦者技能証明等」は、ドローンを安全に飛行させるための技能を証明する国家資格制度です。
国家資格には「一等無人航空機操縦士」と「二等無人航空機操縦士」があり、それぞれの特徴は下記の通りです。
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等級 |
特徴 |
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一等無人航空機操縦士 |
レベル1~4の飛行が対象であり、複雑な条件下での飛行や特定の業務での利用に必要 |
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二等無人航空機操縦士 |
レベル1~3.5の飛行が対象であり、多くの業務用ドローン操縦で求められる標準資格 |
国家資格の取得には、学科試験・実地試験・身体検査に合格し、ドローン情報基盤システム(DIPS2.0)で技能証明を申請する必要があります。
登録講習機関で所定の講習を受講し、修了審査に合格すれば、実地試験が免除されるため、ドローンスクールを利用して効率よく取得するのがおすすめです。
ドローンには国家資格だけでなく、多くの民間資格も存在します。
国家資格と民間資格の違いは、おもに次の通りです。
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国家資格 |
民間資格 |
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位置づけ |
国土交通省が発行する公的資格 |
民間団体・企業が発行する資格 |
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目的 |
業務での活用を想定した、特定飛行 の許可・承認手続きの簡略化 |
趣味や一般的な業務向けに、操縦の基礎知識や技能の習得を証明 |
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飛行範囲 |
レベル3.5以上の飛行を筆頭に特定 飛行の範囲が広く、許可や承認手続 きを簡略化できる |
特定飛行を行う場合は、原則として国土交通省への許可・承認が必要 |
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難易度 |
高い |
資格による |
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講習費用 |
数十万円以上と高額 |
数万円~数十万円と比較的安い |
ドローン国家資格は、国が定めた基準に基づいて技能を審査する公的資格であり、民間資格に比べて制度の裏づけと信頼性が高い点が特徴です。
ドローン国家資格が必要とされる理由は、業務における信頼性の確保と、飛行の自由度が大きく向上する点にあります。
国家資格を取得すると、飛行可能な範囲が広がるだけでなく、特定飛行に必要な許可・承認手続きが省略または簡略化されるため、業務効率が大きく高まります。
さらに、2025年12月18日から民間資格が飛行許可申請時の飛行実績の証明としての効力を失い、利用できなくなりました。国家資格はその証明として利用可能です。
ビジネスでドローンを活用する場合、国家資格の取得は今後ますます欠かせないものになるでしょう。
なお、ドローン国家資格は、車の免許のように一定期間ごとに更新が必要となります。
ドローン国家資格については、下記記事を参考にしてください。
ドローン国家資格の取得は、スクールを受講することで多くのメリットが得られます。
本章では、その代表的なメリットを3つご紹介します。
ドローンスクールでは、国家資格取得に必要な内容を体系的に学べるほか、最新の法令や運用ルールも網羅的に理解できます。
ドローンを安全に運用するには、操縦スキルだけでなく、機体の構造や気象判断、航空法などの法令知識を幅広く理解しておく必要があります。
特に法規制を誤解したまま飛行させると、罰金や書類送検につながる可能性もあるため、正しい知識の習得は欠かせません。
スクールでは基礎から応用までを段階的に学習できるため、安全かつ適切にドローンを飛行させる力が身につくでしょう。
ドローンスクールを受講すると、現場で活躍するプロの操縦士から直接指導を受けられます。
基礎的な操作から高度な飛行技術まで段階的に学べるため、独学よりも効率よくスキルを習得できる点が大きなメリットです。
講師はドローン操縦の実務経験が豊富な方が多く、人材育成にも精通しているため、初心者でも理解しやすい形で正しい知識と技術を身につけられます。
また、実際の現場で起こり得るトラブルへの対処方法や、安全に飛行させるための実践的な判断力など、プロならではの視点を学べる貴重な機会となるでしょう。
ドローンスクールによっては、卒業後も継続的なサポートを受けられる場合があります。
練習場の利用支援や追加講習、機体メンテナンスの相談、関連企業からの案件紹介、卒業生コミュニティへの参加など、サポート内容は多岐にわたります。
卒業後のアフターサポートがあると、資格取得後も知識や技術を継続的に磨きつつ、最新情報の収集も可能となるため、業務でドローンを活用したい人にとって大きなメリットとなるでしょう。
ただし、サポート内容はスクールごとに異なるため、受講前に確認しておくことが重要です。
次に、ドローン国家資格を取得する際のスクールの選び方をご紹介します。
ドローンスクールの数は増えており、それぞれ特徴やカリキュラムが異なるため、自身が習得したい技術や知識をしっかり学べるスクールを選ぶことが大切です。
ドローン国家資格の取得を目指す場合「登録講習機関」であるスクールを選ぶことが重要です。
登録講習機関とは、国家資格を受験する人向けに一定レベルの講習を提供できると、国土交通省が認めたドローンスクールを指します。
登録講習機関は、国の定めた水準を満たしたスクールのみが登録されているので、業務に役立つ技術と知識を安心して学べるでしょう。
また、登録講習機関に通うことで、実地試験の免除や学科試験の効率的な準備が可能になるなど、国家資格取得に向けた大きなメリットが得られます。
ただし、なかには不適切な運営をしていることや、ニ等資格にしか対応していない登録講習機関もあります。一等資格を取得したい方は、事前の確認が必要です。
登録講習機関は事業年度ごとに監査を受ける義務がありますので、しっかりとした監査実施団体で監査を受けているかどうかも確認するようにしましょう。
ドローンスクールまでのアクセスや練習環境が適切かどうかも重要なポイントです。
スクールによっては開催日が限定されていたり、操縦訓練を遠方で行ったりするケースがあります。
特に、都心部では練習用のコートを保有していないスクールが多く、郊外の練習場まで車で移動しなければならないこともあるでしょう。
「仕事が忙しくてスケジュールを合わせづらい」「仕事終わりや休日でしか通えない」という場合は、通いやすい立地や希望の時間帯で講習が提供されているかを事前に確認することが大切です。
講師の人数や技術レベルも重要なチェックポイントです。
国家資格の取得を目指す場合、業務での活用を考える方が多いため、操縦技術や法令知識だけでなく、実務でのノウハウも学べるスクールを選ぶとよいでしょう。
講師の活躍分野や実績、点検・空撮などの専門知識、専門コースの有無も確認しておくことが大切です。
また、講師と生徒の人数比にも注目しておきましょう。
講師が少ない場合、一人ひとりに十分な指導時間が取れず、学びが制限されることがあります。
理想は、マンツーマンで丁寧に技術指導を受けられるスクールです。
卒業後のサポート体制の充実度も、スクール選びで重要なポイントです。
前述でもご紹介した通り、スクールによって提供されるサポート内容は異なるため、受講前に自分が求めるサポートがあるかを確認しておきましょう。
サポートが充実しているスクールを選べば、資格取得後も知識や技術を継続的に磨き、安全かつ効率的に業務へ活かせるようになります。
ドローンスクールを選ぶうえで、受講費用が適切かどうかも重要なポイントになります。
受講費用の目安は条件によって異なりますが、一般的には約15~80万円程度です。
ただし、重要なのは金額の大小ではなく、支払う費用に見合った内容を学べるかどうかという点です。
いくら費用が安くても、指導の質が低ければ求めるスキルが習得できず、現場で活かせる知識や技術を十分に得られません。
費用が安いことは魅力的ですが、質が下がる可能性が非常に高いため、注意が必要です。
そのため、正しい操縦技術をしっかり学べ、現場で役立つノウハウまで身につけられるスクールを選ぶことが大切です。
費用だけでなく、カリキュラム内容や講師の質も合わせて確認しましょう。
ドローンスクールを選ぶ際は、複数のスクールを比較して、最適な受講先を決めることが重要です。
スクールごとにコース内容や練習環境、サポート体制、料金は大きく異なるため、比較検討を行い、自分の学習目的や習得したいスキルに合ったスクールを選びましょう。
なかには無料体験や見学を実施しているスクールもあります。
実際に講義の雰囲気や指導内容を確認することで、より自分に合ったスクールを見極めやすくなるでしょう。
また、Googleや国内アクセス数No1ドローンスクールメディアの「コエテコドローン」の口コミを参考にすることもお勧めしています。
ドローン国家資格の受講費用は、一等か二等か、経験者か初学者かで異なります。
それぞれの費用目安は、下記の通りです。
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等級 |
受講費用の目安 |
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一等無人航空機操縦士 |
・経験者:約50万円 ・初学者:約80万円 |
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二等無人航空機操縦士 |
・経験者:約15万円 ・初学者:約40万円 |
ただし、上記の金額はあくまで目安であり、スクールによって費用は前後します。
大きな出費となるため、少しでも安価なスクールを探してしまいがちですが、適切な監査を受けておらず再受講や再修了審査を受けなければならなくなることや、最悪の場合取得した国家資格が取り消される可能性もあります。
また、指導の質が低ければ必要なスキルを十分に取得できない可能性があります。
費用と内容のバランスを確認・比較したうえで、自分に合ったスクールを選ぶことが大切です。
ドローンスクールの受講には高額な費用がかかるため、費用負担を少しでも抑えたいと考える方もいるでしょう。
本章では、今後ビジネスとしてドローンを運用したいと考える方に向けて、国家資格または民間のドローンスクール受講時に活用できる助成金や補助金を3つご紹介します。
「人材開発支援助成金」は、事業主が雇用する労働者に対して、業務に必要な専門知識や技能を身につける職業訓練を行った際に、訓練費用や訓練中の賃金の一部を助成する制度です。
おもなコースには「人材育成支援コース」と「事業展開等リスキリング支援コース」があります。
それぞれの助成率・助成額の目安は下記の通りです。
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コース名 |
助成率 |
助成額(1人1コース1時間あたり) |
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人材育成支援コース |
・中小企業:45% ・大企業:30% |
・中小企業:800円 ・大企業:400円 |
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事業展開等リスキリング 支援コース |
・中小企業:75% ・大企業:60% |
・中小企業:1,000円 ・大企業:500円 |
※2025年度の数値です。改訂されるため、最新の数値は厚生労働省のページをご覧ください。
ドローンスクールの受講においても活用できるため、費用負担を大幅に抑えつつ効率的なスキルアップが可能となるでしょう。
「小規模事業者持続化補助金」は、持続的な経営に向けた計画を作成し、販路拡大や生産性向上に取り組む小規模事業者を対象に、経費の一部を補助する制度です。
対象となる小規模事業者は、常時使用する従業員が20人以下、商業やサービス業の場合は5人以下と定められています。
補助上限は原則50万円ですが、特例を活用すれば最大250万円まで引き上げられる場合があり、補助率は原則3分の2です。
ドローンを業務で活用する計画があり、かつ費用が対象経費に含まれる場合、この補助金を活用することで、費用負担を抑えつつ資格取得やスキル向上を目指せます。
「中小企業新事業進出促進補助金」は、既存の事業と異なる新事業への挑戦を支援する補助金制度です。
ドローンを活用した新規事業に必要な設備投資が対象となります。
補助率は2分の1、補助上限額は従業員数に応じて変わります。
たとえば、従業員数が20人以下の場合は2,500万円、21~50人の場合は4,000万円です。
ドローンを用いた新事業を検討している場合、この補助金を活用することで、設備投資や新サービス立ち上げの費用負担を大幅に抑えられるでしょう。
本章では、国家資格を取得する際のドローンスクールの選び方に関するよくある質問を3つご紹介します。
ドローン国家資格の合格率について国土交通省からの正式なデータは公開されていません。
一般的には一等無人航空機操縦士が約30~40%、二等無人航空機操縦士は約70%といわれています。
また、バウンダリ行政書士法人では250校以上の登録講習機関の監査も行っており、1万人以上の受講生を確認してきました。その統計でも1回で修了審査を合格する確率は概ね同じです。
ただし、この数字には経験者やドローンスクールを受講しない一発試験も含まれるため、初学者にとってはやや難易度が高くなると考えられます。
資格取得を目指す場合は、スクールでの計画的な学習や実技練習が合格のカギとなるでしょう。
ドローン国家資格は独学でも受験できますが、試験の難易度はやや高く、初学者が一発合格を目指すにはハードルが高いといえます。
特に、独学の場合は実地試験が含まれるため、操縦技術を身につけるには、ドローン本体や練習場所の確保が必要です。
一方、登録講習機関のスクールで受講すれば、実地試験が免除されるほか、専門知識やプロの技術を効率的に学べ、合格率を高めやすくなります。
安全に業務でドローンを活用したい場合は、スクールを利用する選択肢が有効でしょう。
ドローンの民間資格を持っていても、国家資格の試験が免除されることはありません。
ただし、民間資格保有者は「経験者」として扱うスクールも多いため、経験者として扱われれば、登録講習機関で受講する際に学科・実地ともに講習時間が大幅に短縮されます。
初学者と比べて受講費用も抑えられるため、すでに民間資格を取得している人は、時間・コストの両面で負担を軽減しながら国家資格取得を目指せる可能性があります。
ドローン国家資格は、業務でドローンを安全かつ適切に運用するうえで欠かせない資格です。
今後は国家資格を中心とする運用が更に進む見込みであり、すでに民間資格を取得している方も、これから資格取得を検討している方も、国家資格の取得を検討しておくことが望ましいでしょう。
ドローン国家資格は独学での取得も可能ですが、一発試験の合格率が低いため、スクール受講を併用することが合格への近道です。
スクールによって費用や講習内容、サポート体制が異なるため、複数のスクールを比較し、自分に合った環境を選びましょう。
また、ドローン飛行には国土交通省への飛行許可申請や関係機関との調整など、専門的な手続きが必要です。
バウンダリ行政書士法人では、ドローン空撮に関する手続きの代行や、安全な事業運用を支援するドローンコンサルティングを提供しています。
登録講習機関(国家資格対応のドローンスクール)などのドローン事業を始めたい方や運用に不安がある方は、ぜひバウンダリ行政書士法人へお気軽にお問い合わせください。
バウンダリ行政書士法人
代表行政書士 佐々木 慎太郎
(Shintaro Sasaki)
ドローンに関する許認可申請、許認可管理、法務顧問を専門とするバウンダリ行政書士法人の代表。飛行許可申請をはじめメーカー支援、登録講習機関の開設やスクール運営、事業コンサルティング、空飛ぶクルマなど支援の幅を広げ日本屈指のサポート実績を誇る。2025年のドローン許認可対応案件は10,000件以上、登録講習機関のサポート数は200社を突破。
無人航空機事業化アドバイザリーボード参加事業者および内閣府規制改革推進会議メンバーとして、ドローン業界の発展を推進している。またドローン安全飛行の啓蒙活動として、YouTube「ドローン教育チャンネル」や公式LINEを開設するなどSNSで最新の法律ルールを積極的に発信している。