2026.03.13
飛行ルール・法律
2026.03.13
ドローンの飛行には航空法をはじめ、さまざまな法規制が設けられており、違反すると罰金や拘禁刑などの重い罰則が科される可能性があります。無登録飛行や無許可飛行、飛行マニュアル違反など、知らずに違反してしまうケースも少なくありません。
本記事では、ドローンに関する罰則を一覧形式で解説し、航空法違反の具体的な罰金額や規制事例を体系的に紹介します。
目次
ドローンの飛行に関する罰則は、航空法に基づき違反の内容によって段階的に定められています。
最も重い罰則は2年以下の拘禁または100万円以下の罰金で、事故時の救護義務違反が該当します。
一方、軽微な違反では10万円以下の罰金が科されるなど、違反行為の危険性に応じて罰則の重さが異なります。
航空法違反における罰則は、違反行為の重大性に応じて以下のように分類されます。
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罰則(拘禁または罰金) |
違反行為の例 |
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2年以下の拘禁 又は 100万円 以下の罰金 |
事故発生時に飛行を中止せず、負傷者の救護などの危険防止措置を講じなかった場合 |
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1年以下の拘禁 又は 50万円 以下の罰金 |
登録を受けていない(無登録の)ドローンを飛行させた場合 |
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1年以下の拘禁 又は 30万円 以下の罰金 |
アルコール又は薬物の影響下でドローンを飛行させた場合 |
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50万円以下の罰金 |
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30万円以下の罰金 |
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10万円以下の罰金 |
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未登録でドローンを飛行させた場合は1年以下の拘禁または50万円以下の罰金、無許可で飛行禁止空域を飛行・禁止されている飛行の方法を行った場合は50万円以下の罰金が科されます。
近年、ドローンに関する規制が段階的に強化されてきました。2022年6月には機体登録制度が導入され、原則リモートIDの搭載が義務化されています。
また、アルコールや薬物の影響下での飛行禁止も航空法に明記されています。
これらの規制強化の背景には、過去のドローン墜落事故や皇居へのドローン飛来事案があります。
特に機体登録制度は、所有者を特定することで事故やテロ行為を未然に防ぐことを目的としています。
小型無人機等飛行禁止法の制定も含め、規制強化はドローンの安全な利活用を促進するために不可欠な措置となっています。
航空法では、ドローンの安全な飛行を確保するため、機体登録、飛行空域、飛行方法、操縦者の遵守事項について詳細な規制が設けられています。
違反内容によって罰則の重さが異なり、機体登録違反では拘禁刑が科される可能性もあります。
ここでは、ドローン操縦者が特に注意すべき主要な違反行為とその罰則について解説していきます。
100g以上のすべてのドローンには、屋外で飛行させる場合、機体登録が義務付けられています。
未登録で飛行させた場合、1年以下の拘禁または50万円以下の罰金という重い罰則が科されます。
また、リモートIDの搭載義務や登録記号の表示義務に違反した場合も、50万円以下の罰金の対象となります。
機体登録は所有者を特定し、事故やトラブル発生時の追跡を可能にする重要な制度です。飛行許可申請よりも罰則が重いため、必ず登録を完了させてから飛行させましょう。
航空法では、①空港等の周辺、②150m以上の高さの空域、③人口集中地区(DID)の上空、④緊急用務空域の4つが飛行禁止空域として定められています。

無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法[国土交通省]
これらの空域で許可なく飛行させた場合、50万円以下の罰金が科されます。
特に人口集中地区(DID)は、自宅の敷地内や私有地であっても許可が必要です。
知らずに違反してしまうケースが多いため、事前に飛行場所がDIDに該当するか必ず確認しましょう。
飛行場所に関わらず、国土交通大臣の承認が必要な飛行方法として、①夜間飛行、②目視外飛行、③人または物件から30m未満の距離での飛行、④イベント上空飛行、⑤危険物輸送、⑥物件投下の6種類があります。

無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法[国土交通省]
これらを承認なく行った場合、50万円以下の罰金が科されます。
特に目視外飛行は、操縦者がモニターやゴーグルを注視する行為も該当する可能性があり、うっかり違反になりやすい点に注意が必要です。
すべてのドローン操縦者には、①アルコール・薬物の影響下での飛行禁止、②飛行前確認の実施、③衝突予防、④他人に迷惑を及ぼす飛行の禁止の4点が義務付けられています。

無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法について[国土交通省]
アルコール・薬物の影響下での飛行は、1年以下の拘禁または30万円以下の罰金と特に重い罰則が設けられており、車の飲酒運転と同様に厳しく処罰されます。
飛行前確認を怠る行為、有人機や他のドローンとの衝突予防義務違反、迷惑飛行も50万円以下の罰金の対象となります。
ドローンの飛行は航空法だけでなく、小型無人機等飛行禁止法、道路交通法、地方自治体の条例など、複数の法令によって制限されています。
航空法の許可を取得していても、これらの法律や条例に違反すれば罰則が科される可能性があります。
特に条例は地域ごとに異なるため、飛行前には必ず確認が必要です。
国の重要施設(国会議事堂、皇居、防衛関係施設、空港、原子力事業所など)及びその周辺おおむね300mの上空では、ドローンの飛行が原則禁止されています。
対象施設上空(レッド・ゾーン)で飛行した場合、1年以下の拘禁または50万円以下の罰金が科されます。
この法律は航空法の規制対象外である100g未満のドローンも対象となる点に注意が必要です。
実際に静岡県富士市の航空自衛隊御前崎分屯基地上空で違反した事例が報告されており、厳格な取り締まりが行われています。
今後、飛行禁止されている重要施設周囲の範囲が300mから1000mに拡大する見込みです。
道路上でのドローンの離着陸や、低空飛行によって交通の妨げとなる場合、道路交通法第77条の規制対象となります。
単に道路上空を飛行させるだけであれば原則として許可は不要ですが、道路を離着陸場所として使用したり、補助者の配置や機材の設置を行う場合には、管轄の警察署長から道路使用許可を取得する必要があります。
許可なくこれらの行為を行った場合、道路交通法第119条に基づき3ヶ月以下の拘禁または5万円以下の罰金が科される可能性がありますので、事前に警察署へ確認しましょう。
航空法では飛行が禁止されていなくても、各都道府県や市区町村が定める条例によって、特定の場所でのドローン飛行が個別に規制されている場合が多くあります。
全国には300近い条例が存在し、都立公園や市立公園、河川敷、港湾施設などでの飛行が制限されています。
東京都では代々木公園をはじめとする都市公園で原則飛行が禁止されており、航空法の許可を持っていても飛行できません。
条例違反の場合、航空法の罰金とは異なり、行政罰としての過料が科されるケースが一般的です。
ドローン操縦者の多くは、飛行許可を取得すれば自由に飛ばせると誤解しがちです。
しかし、許可取得後も飛行マニュアルの遵守義務や、事故時の救護・報告義務、特定飛行時の飛行計画通報など、さまざまな義務が課されています。
これらを知らずに違反すれば、拘禁刑を含む重い罰則が科される可能性があります。
飛行許可・承認(包括申請を含む)を取得しても、第三者上空の飛行は原則として禁止されています。
第三者上空を飛行できるのは、一等ライセンス・一等認証機体・特別な飛行許可承認のすべてが揃ったレベル4飛行のみです。
許可取得時に提出した飛行マニュアルに記載された安全対策(補助者の配置、立入管理措置など)を遵守しないと、許可があっても第三者上空となってしまうことや、信頼を失い契約解除や損害賠償を請求されるケースもあります。
また、土地所有者の許可と航空法の許可は全く別物であり、私有地であっても両方の許可が必要になる場合があります。
ドローン飛行中に事故(人の死傷、第三者の物件損壊など)や重大インシデント(制御不能、発火、航空機との衝突・接触のおそれなど)が発生した場合、操縦者には複数の義務が課されます。
特に負傷者がいる場合の救護義務が最優先であり、これを怠った場合は2年以下の拘禁または100万円以下の罰金という最も重い罰則が科されます。
また、国土交通省への事故・重大インシデントの報告義務があり、報告を怠ったり虚偽の報告をした場合も30万円以下の罰金の対象となります。
特定飛行(航空法の許可・承認が必要な飛行)を行う際には、事前にDIPS(ドローン情報基盤システム)を通じて飛行計画を通報することが義務付けられています。
飛行計画の通報を怠って特定飛行を行った場合、30万円以下の罰金が科されます。
また、特定飛行時には飛行日誌を備え付け、飛行・整備・点検の記録を遅滞なく記載する義務があります。
飛行日誌を備えなかったり、必要な記載を怠ったり、虚偽の記載をした場合には、10万円以下の罰金が科される可能性があります。
ドローンの飛行に関するルールは、航空法をはじめ、小型無人機等飛行禁止法、道路交通法、地方自治体の条例など、複数の法律が複雑に絡み合っています。
これらの規制を正しく理解せずに飛行させると、拘禁刑を含む重い罰則が科される可能性があります。
バウンダリ行政書士法人では、ドローン法務に特化した専門家集団として、年間相談件数10,000件を超える豊富な実績をもとに、飛行許可申請の代行から法令遵守に関するアドバイス、飛行マニュアルの作成サポートまで幅広く対応しています。
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バウンダリ行政書士法人
代表行政書士 佐々木 慎太郎
(Shintaro Sasaki)
ドローンに関する許認可申請、許認可管理、法務顧問を専門とするバウンダリ行政書士法人の代表。飛行許可申請をはじめメーカー支援、登録講習機関の開設やスクール運営、事業コンサルティング、空飛ぶクルマなど支援の幅を広げ日本屈指のサポート実績を誇る。2025年のドローン許認可対応案件は10,000件以上、登録講習機関のサポート数は200社を突破。
無人航空機事業化アドバイザリーボード参加事業者および内閣府規制改革推進会議メンバーとして、ドローン業界の発展を推進している。またドローン安全飛行の啓蒙活動として、YouTube「ドローン教育チャンネル」や公式LINEを開設するなどSNSで最新の法律ルールを積極的に発信している。